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翌日、課題を提出して講義もちゃんと受けて帰ろうとしたけれど、
いつものカフェを通りがかれば自然と扉を開けていた。
『いらっしゃいませ。』
……ちょっと早い時間なのに居るんか。
バイト、とかじゃないんかな。
歳が離れているかもしれない可能性に、少し心が落ちる。
「エスプレッソください。」
『…エスプレッソがおひとつ。』
普段は目を通さないメニューが目に付いた。
……そういえば飯食ってへんわ。
「あ、あとナポリタン…。」
『ナポリタンがおひとつ。』
「以上で。」
『畏まりました、少々お待ちください。』
伝票を持って彼女は厨房へ入っていく。
エスプレッソはすぐに出てきた。
今日も目の前で彼女が仕事をする。
苦い苦いそれを飲み下しながら彼女が仕事するのを見てしまう。
……でもまあ、仕事集中しとるやろし、ばれてへんやろ。
『………あの、なにか。』
「え、あ、えっ…あ、アイスコーヒーください…。」
『アイスコーヒーがおひとつ。』
情けない返しすな俺。
すぐに出てきたアイスコーヒーに刺さっていた
赤いストローを齧りながら啜った。
『……いつもアイスコーヒーですね。』
「え、あっ、ハイ……。」
びっっくりした、話しかけられるなんて思ってなかったから……。
なんかもっと話題ないんか俺、なあ。
ずるずるとコーヒーを啜っていたら彼女の横から店長さんがナポリタンを持ってきてくれた。
………めっちゃうまそうな匂いする、腹鳴りそう。
さっそく一口分をフォークに巻きつけて頬張る。
うま。あんまここの飯食ったことなかったけど、これは食わなあかん。
「……あの、楪さんのおすすめ、なんですか？」
『えっ、わたしの……？』
彼女が自分を指差すのでこくりと頷く。
『………ご飯ならカルボナーラ、スイーツならロールケーキ。』
「じゃ、次それ食いに来ます。」
『……是非。』
…ッシャ、勉強じゃなくても来る口実が出来た。
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作者名：NPC | 作成日時：2020年4月13日 16時
