【d!】寄り添うねこしっぽ【shp】 (ページ5)

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あれから流石に真面目に勉強を始めた。
明日提出の課題があることをすっかり忘れていたのだ。
何時間経っただろうか。
新しく淹れてもらったコーヒーを半分ほど飲んだところで、
課題に夢中になってしまった。

「っあ゛～～……。」

グーッと伸びをする、すっかり外は真っ暗だった。
まだ夏前だというのに…、集中してたってことやな。

『終わりました？』

「ぅお、っはい…。」

『……お疲れ様です。』

こと、小さなクッキーが数枚乗った小皿が目の前に差し出された。

「……え？」

『試作品、なんですって。』

店長から、と手で彼女の後ろを示される。
気のよさそうな男の人がニッと笑ってくれたのでこちらも会釈をする。
確かに疲れて脳が糖分を欲していたところだ。
一つ摘まんで、口に放り込む。

「……うま。」

『……店長、喜ぶと思います。』

「美味しかったですって伝えといてください。」

『勿論。』

彼女の口角が、僅かに上がった気がした。
………嗚呼、頬が熱い。

クッキーも食べ終わったところで残っていた薄いコーヒーも飲み干す。

「ご馳走様です。」

『ありがとうございます。』

会計を済ませて、カフェを出る。
すると直ぐに電気が落ちた。
閉店の時間まで居座ってしまったのか、悪いことしたな……。

……さむ、帰路を急ぐか。

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