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今日も足繁く彼女の居るカフェに通う。
ノートPCを持って、勉強をすると言う口実を持って。
からんからん。
『……いらっしゃいませ。』
彼女がこちらを向いて、にこりとも笑わずに挨拶をしてくれた。
俺はそんな彼女の目の前に座り、今日も同じものを頼む。
「アイスコーヒーで。」
『アイスコーヒーがおひとつ。』
注文を復唱して、伝票を取って、目の前でコーヒーを淹れてくれる。
背筋を伸ばして、真面目に仕事をこなす彼女に惚れてしまったのだ。
『お待たせしました…？』
「あ、すんません。ありがとうございます。」
思わずじっと見てしまった、いけない。
俺はここにあくまでも勉強をしに来たのだから。
PCを開いてその横にノートを広げた。
俺がここに通い始めて三か月。
あ？早く声かけろって？煩いわ、慎重派やねん。
名前くらいは知っとる。楪さん。
苗字やんかって？煩いわ、苗字さえ知っとけばどうにかなんねん。
ズゴーッ、いつの間にかなくなっていたコーヒーを吸い続ける。
ストローを齧る。
『……あの、』
「え、あ、」
『………コーヒー、おかわり要りますか？』
「……お願いシャス。」
見られていたのか、気づかれていたのか、恥ずかしいな！？
絶対に、ぜっったいに俺の顔は真っ赤になっている。
見られないように俯いてしまった。
カランカラン、氷を入れる音がする。
コポコポコポ…、コーヒーを淹れる音がする。
少しならばれないか、そう思い俯いた髪の隙間から彼女の様子を伺った。
『どうぞ。』
ばっっっっちり、目があった。
「……ザス。」
俺！！！！もうちょっとなんかあるやろ！！！！！！
再び勢いよくコーヒーを啜った。
……あ、ストロー新しくなっとる。
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作者名：NPC | 作成日時：2020年4月13日 16時
