雪がやみませんね。 (ページ17)

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阿部side

佐久間阿部ちゃん、

佐久間翔太ん家の近くで、Aちゃんと翔太が手繋いで歩いてるとこ見ちゃったんだけど…

やばい。

佐久間からのLINEを見て、急いで家を飛び出す。

俺が思うに、翔太はAちゃんのことが好きだ。

きっと、俺がAちゃんと出会うよりずっと前から。

でも…

俺だって好きだ。

恋に時間なんて関係ない。

はやる気持ちのまま、翔太の家に向かって走る。

ふと、スピードを緩めて足を止めた。

“手を繋いで歩いていた”という佐久間からのメッセージを思い出したからだ。

“手を繋いでいた”ということは、もしかしてAちゃんは翔太のことが好き…？

いや、そんな簡単に恋心って変わるもの…？

荒い息を整えながら考えた。

ああもう、どうにでもなれ。

どうせAちゃんに結婚は嘘だって言わなきゃいけないんだ。

はあ、今の俺、全然ロジカルじゃないや。

自嘲気味に笑って、また走り出した。

―

やけに静かなマンション街。

その中に、Aちゃんが一人ぽつんと立っている。

『亮平くん…』

春の優しい風にのって、俺の名前を呼ぶ愛しい人の声が聞こえた。

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この作品、初めて順位がつきました。

ありがとうございます！

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