【第5人格】恋空模様【短編集】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:7,382 hit

微炭酸ゲーム(終) ページ7

──バカみたい

素直にそう思った

こんな事でモヤモヤしていた自分も

それをわざと気づかせようとしたこの男のことも

何もかもがバカらしく、小さく思えた

｢ねぇ、ちょっと聞こえないんだけど｢はぁぁ……ノートン・キャンベルの馬鹿野郎って言ったの！！｣…は？｣

｢今日は私も助けられたし助けたから何も言わない！！お互い様！！｣

それでも素直じゃない私は彼にそう叫ぶと背を向けてゆっくりと歩き始めた

｢いや、君最後のかなり危なかったよね｣

｢聞こえない！！知らない！！余裕だったし！！｣

｢…いや意味分かんないから。ねぇ、ちょっと【見送り人】｢A｣？｣

｢名前で呼んでいいよ、それで今回のことは見逃してあげる｣

｢いや、更に訳わかんないんだけど。ねぇ、聞いてる？ちょっと、A｣

｢聞こえない。ほら、次のゲームまでに"一緒に生き残る作戦"考えよ。ノートン｣

そう言いながら私は手に持ったらラムネを一気に傾け、喉へ流し込むと
喉にぱちぱちと弾ける炭酸と口に残る甘さと共に

私は

このお人好しで、バカなノートン・キャンベルに恋をした。