【第5人格】恋空模様【短編集】 (ページ4)

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微炭酸ゲームページ4

ゲートに近い位置に座らされている為もしかしたら逃げ切れるかもしれない。
私が壁になれば彼だけでも逃がせるかもしれない

私が向かってきていることに気づいたのか何度も

｢私から離れて！｣

｢早く逃げて！｣

と送られる

─そんなもの関係ない、私を助ける価値なんてないのだから、貴方が生きるべきなのだから

それに、それに─

｢探鉱者！！｣

｢なんで来たんですか！！早く逃げて下さい！！｣

｢五月蝿いです！！私なんかを助けるからあなたが捕まってしまったじゃないですか！！｣

救助に来た私はきっとリッパーにとっては格好の獲物

ゲートも開きノーワンのついているため一回切りの勝負だった

｢ﾌｯﾌｯﾌｯ…揃いも揃って自己犠牲が強いですね｣

｢っ…そんなんじゃないわよ！！｣

そう叫びながら透明になった彼の攻撃を避けると一目散へチェアへ駆け寄る

｢早く逃げて！！｣

｢っ…ばかなのかよ…！！｣

チェアから彼を救助すると攻撃後の硬直が解けたリッパーが追いかけてくる

｢へァァｯ……逃がす訳ないでしょう！！｣

何度も彼に気絶させられたためイラついているのか、荒々しい攻撃を何度も放ちながらリッパーが追いかけてくる

｢探鉱者！！このまま進んだ先のゲートが開いてるから走って！！｣

｢ｯ…貴方はどうするんですか！｣

｢いいから！！私よりも自分の命を優先して！｣

そう一方的に私は伝えると彼の背中を守るように走り自分へと与えられた武器
【死者を導く者】を使い、リッパーを食い止めようとする

死者を導く者はハンターの足元から手が生え一時的にハンターの動きを止めるもの
これで少しは足止めできるはず

｢小賢しいッ!!!!｣

案の定、私が思った通り死者の手はリッパーの足を掴み離そうとしない
その隙に私はゲートへと駆け出す

一か八かだった。後ろからは拘束が解けたリッパーが追いかけてくる。

あと、あと数メートル。ゲートさえ潜れば─

｢後一歩足りませんでしたね。私の勝ちです｣

そう真後ろからハンターの声が聞こえ、反射的に振り向くとハンターの鋭い左手がスローモーションの様に降ってくる。

─あぁ、やられる

そう確信し私はこの後来る痛みに反射的にぎゅっと目をつぶる