【ＷＴ】殺人転生 (ページ2)

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転生ページ2

―目を開けたら全く知らない部屋にいた。

床も壁も全て真っ白。

家具なんて置いてないしドアもない。

四角の箱の中に入っているような気分になる。

貴：誰か居ませんかー！！

できるだけ大きい声で叫ぶ。

だが私の声が部屋に反響するだけで物音も、もちろん声も聞こえなかった。

寝ていたからかそれともいつもとは違う風景だからか頭がすっきりしている。

――シャン。

――――シャン、シャン。

どうやってここから出ようかと頭を悩ませていると鈴のような音が耳に入ってきた。

脳が考えることをやめると同時に私の体も動かなくなる。

誰…？

音がした方向をジッと見つめていると段々と人影のようなものが現れてくる。

貴：何…！？

今まで見たことのないもので思わず声を上げる。

その人影は時間がたつにつれて姿見がわかるようになった。

１分もしないうちに私の前には綺麗な顔をした男の人が立っていた。

？？：どうも～神ですぅ～！

貴：…そう、ですか。

いきなりの自己紹介とあまりのハイテンションについていけず茫然としつつも言葉を返す。

ていうか神様ってこんな感じなの？

？？：君結構冷静だね？

貴：まぁ、この部屋にいる時点で結構ヤバかったですし…。

反応も薄くなりますよね、と付け足す。

？？：え～おもしろくないなぁ。ま、いいや！僕は君のお願いをかなえに来たんだ。

貴：失礼ですけど某青い未来のロボットさんですか？

？？：ちがうわっ！！

プンプン、という効果音が付きそうな顔で私を見る自称神様。

でもあの感じで現れたってことは本物なのだろうか。

貴：お願い…とは具体的に？

？？：えーとね…。

忘れていたのか紙を確認する神様さん。

事前に確認ぐらいしとけばいいのに。

？？：天国に行きたいとか地獄に行きたいとか転生したいとか……まぁいろいろあるね。

貴：転…生？

聞きなれない言葉に首をかしげ聞き直す。

？？：うん。転生は他の世界に生まれ変わるってこと。
　転生先は自分が行きたいような世界を言ってくれてもいいし、ランダムでもいい。
　生まれ変わると同時に姿見も変わる。でも君は特別にそのままでもいいよ？

貴：…うん？

一気に言われて聞き取る暇もなく、何を言ってたのか全く分からなかった。

？？：…ここで時間取られても困るしねぇ～。バイバイっ！！

貴：は？

そういった瞬間体が浮遊感に包まれる。

叫び声をあげる間もなく私は意識を失った。