検索窓
今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:8,413 hit

二十九話 ページ29

あれから月日が経って大会は一週間後となったので、現在私はセンラさんの家にお邪魔しています。

私を見るなり手厚く(?)歓迎して下さったセンラさんは、今もキッチンで頭を抱えたり溜息を吐き続けたりしている。

彼の目の前には、先程私が作ったモンブラン。

味も見た目も不気味なソレにセンラさんはガックシと肩を落としていた。


セ「A、あの学園が脱落形式なのは知ってる?成績のワースト30位以内の生徒は退学処分になんねんで?」

『知ってます、なので今日はモンブランのレシピを教えて貰いに来ました!』

セ「(……これモンブランなん…!?)」


そう言うと、またもやフリーズしてしまったセンラさん。

その様子に少し申し訳なく感じてしまうが、実はセンラさん家に集まったのには理由がある。

先月話せなかった城での出来事を私は、志麻さんに悟られる事なく誰かに伝えなければいけない。

あの日から数週間ことごとく邪魔されてきたけれど、ようやく邪魔の入らない空間を手に入れる事が出来たのだ。

となればする事は一つ。


『センラさん落ち着いて聞いて欲しいんですが……』

セ「ん、どうしたん?……あ、まーしぃからや」

『ヒョエ…』

セ「"明日の放課後空いてる?"って。…で何やったっけ?」

『いや、いいです。気にしないで下さい』


引きつった笑みを浮かべ、冷や汗が流れるのを肌で感じる。

え、監視されてる?もしかして。

そういえばあの時見逃されてたっけ…?

あれはお情けなんかじゃなくて、発信器や盗聴器みたいな魔法をかけて泳がせる為だった!?


『(そ、そんな馬鹿な…!)』

セ「(何か凄い悩んでる…)明日遊びたいんやったら、今日中にモンブランは完璧に仕上げなあかんで!」

『うぅ…了解、ママ』

セ「ママやめい」


その後センラさんの分かりやすい説明のお陰で、何とか夜までにオリジナルのモンブランが出来上がった。

味も合格を貰い、センラさんから教えてもらったレシピを纏めてその日は夢に落ちる。

何だか良い夢を見れる様な気がした。

三十話→←二十八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
設定タグ:usss , 浦島坂田船 , 歌い手   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2022年1月17日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。