一話 ページ1
『はぁ…今日も疲れたな〜』
誰もいない駅のホームで一人呟く。
部活の疲れが足に溜まり、思わず溜息まで出てしまった。
《間もなく貨物列車が通過します》
『今日の夜ご飯なんだっけ?あ、ハンバーグか…!』
お母さん気合入れてたから今日は手作りなのかな?
でもレトルト食品も捨てがたい…!
《ご注意ください》
あ、やっぱりカレーが食べた___
_ドンッ__
あれ?
なんで?
「(私、倒れて…?)」
――――――――――ブチッ――
?「――い、起き――!…A!」
『…………は、はい…?』
?「はい…?じゃないわよ!今何時だと思ってるの!」
そう言われて顔を上げると、辺りは見慣れない部屋で若干動揺する。
知らない縫いぐるみに、知らない小物。
私何でこんな所に…?
?「ポケ〜としてないで。ほら、センラ君が態々迎えに来てくれたわよ!」
『センラ君?誰で――』
誰ですかと口を開きかけたら突然ヒュンッと何かが耳元を掠める。
振り向けば後ろの壁に小さなナイフが突き刺さっていた。
恐る恐る前を向き、見知らぬ女性を見上げる。
?「は よ や れ」
『はい!直ちに!!』
恐ろしいよこの人、頬掠ってたし。
私は慌てて身支度を整えて玄関を飛び出した。
…あれ?私何で普通に身支度出来てたんだろ。
どれも見慣れない物だらけだったのに。
セ「寝坊すけA。もう遅刻やで?しょうがないから俺が送ったるわ」
『(綺麗な金髪。…でも本当に誰だろう?)』
家の前に立っていた金髪の青年はそう言うと、青年のであろうバイクに跨った。
…これは、乗れという事なのかな。
考えるよりも先に身体が動き、青年の後ろに跨ると青年がヘルメットを渡してくる。
バイクのエンジンが入り、私は慌ててヘルメットを被った。
セ「ほな捕まっときや。その手、離したら殺すで?」
『……うん?』
セ「あれ知らんの?Aなら絶対知ってそうなのに」
青年がエンジンをかけるとバイクは宙に浮き、瞬く間に空中へと登っていく。
そして機体が安定したかと思えば、大きなモーター音を上げて空を走り始めた。
目まぐるしく変わっていく景色。
風になびく金髪は綺麗で、空飛ぶバイクも結構楽しい。
だけど…
『(誰か私に、この状況を説明して下さーーい!!)』
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作成日時:2022年1月17日 5時