名探偵コナン【男主】２ (ページ8)

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４７沖矢side ページ8

｢･･･ダメです｣

もう少しで唇が触れそうになった時

彼は口を手の甲で押さえた

｢俺には、彼がいる･･･から｣

と視線を逸らして言う

その言葉に嬉しさを覚えるが、同時に複雑な気分だった

死んでも尚、自分の事を想っていてくれるとはな

｢･･･すみません｣

と彼から離れる

｢いいえ、俺が悪いんです。彼はもういないのに･･･っ｣

彼の頬に一筋の雫が流れる

彼はそれを拭い、すみません、と言い立ち上がった

｢今日はもう、帰ってもらっていいですか？｣

暫く、一人になりたくて。と横を通り過ぎリビングの扉に手をかけた

｢ええ、構いません。押し掛けて申し訳ない｣

｢気にしないで下さい｣

と頭を振り、リビングの扉を開けて歩いてく

それに自分もついていく

｢また、来ても？｣

｢良いですよ、どうせ独り身の家。また来て下さい｣

『いや、どうせ独り身の家。また来て下さい』

前に彼が言った言葉と重なる

｢では、また｣

｢はい。さようなら｣

彼に背を向けて歩き出す

｢忘れないとダメなのか･･･？｣

と背後で小さく聞こえた