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45 沖矢side ページ6

「そんなの、ダメに・・・決まってます」



すぐに視線を逸らしてそう言った



「どうしても?」



手を握る力を強くする



「・・・はい」


「そうですか・・・」



どうしても教えてくれないようだ



彼の手を放すと



「どうして、どうしてそんなに知りたがるんですか・・・?」



この間、会ったばかりじゃないですか。と困ったように笑う



「僕の、愛した人に貴方が似ているからですよ」



だから気に掛けてしまうんです、と言うと



「そう、でしたか・・・」



彼は俯いてしまい、会話はそこで終わる



暫くの沈黙



「沖矢さんが最初に座った席、愛しい人の特等席って言いましたよね」



それを静かに破ったのは彼だった



「俺の愛しい人はこの家に来たらいつもそこに座っていたんです。でも、うちに来た回数なんて数える程なのに、それなのに特等席なんて、」



おかしいですよね、と儚く笑った



「・・・そんな顔をするな」



俺は無意識の内に彼の頬に触れて、そう言った



「おき、や・・・さん?」



彼は突然のことに驚いたようだ

46→←44 沖矢side



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作成日時:2016年7月8日 20時

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