botu end 降谷side ページ44
しかしその声は懐かしいものより少し高い気がした
振り返って見ると、目の前には誰もいなかった
「・・・?」
気の、せいか
そう思った時
「お兄さん!」
下の方から声が聞こえた
見ると、小さな男の子が立っていた
懐かしい声は彼のものだったらしい
どことなく彼に似ていた
「ねぇ、お兄さんはなんでそんなに哀しい顔をしているの?」
無邪気なのか好奇心なのか、純粋に訊いてくる
俺はその子の頭に手を置き、その子の目線に合わせるようにしゃがんで言う
「大切な人がいなくなっちゃったからだよ」
と、そう言うと男の子はそっか、と言い後ろで組んでいた手を前に出した
「じゃあ、お兄さんにこれあげるよ!!」
「え?」
「クローバーだよ!!」
にこにこと笑う男の子からそれを受け取る
クローバー、自分の指についているリングを見た
「意味はね、四枚で真実の愛なんだって」
「・・・そうなんだ」
知ってるよ、彼もそれを知っていてこのリングを作ってくれたのだから
「君、名前は?俺は降谷零」
どことなく彼に似ている彼に問い掛けた
「俺はね、霧島・・・――だよ」
俺は目を見開いた
・・・そうか、この子は
俺はふっと笑った
――
fin『生まれ変わり』
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作成日時:2016年6月4日 8時