検索窓
今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:100,074 hit

after78 赤井side ページ39

あれからどれぐらい経っただろう



彼がいなくなってどれぐらい経っただろう



あの時から安室くんを取り巻く雰囲気は暗く淀んでいた



ある日、その安室くんは公安に姿を現したそうだ



元の姿に戻って



それから彼は仕事に復帰し淡々とこなしているそうだ



俺が彼を見た時、彼の目に光は無かった



彼がふと捲り上げるシャツの袖



見えた手首に巻いてある包帯、腕に幾つもついた赤い線



君は何度、彼のもとに行こうとしたんだ



俺はそんな彼を見ていられなくて、彼に会わないよう逃げた



宛もなくぶらぶらと街中を歩く



どんっと誰かにぶつかる



「・・・すみません」



相手を見ずに少し会釈をして立ち去ろうとした



「いいえ、こちらこそ」



その声に勢いよく振り返った



しかしその声の主は既に人混みに紛れ、見えなくなっていた



俺は前に向き直り歩きながらふっと笑った

after79 降谷side→←after77 降谷side



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
324人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2016年6月4日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。