after74 赤井side ページ35
目の前をふらりと小さな影が通る
安室くんだ
「待て、どこに行く」
彼の腕を掴み引き止めた
「彼のもとに行く」
と答える
「止めろ、今行ったら君も爆発に巻き込まれるぞ」
「彼を独りさせちゃダメだ」
彼を止めるが聞く耳を持たない
「行かなきゃ」
そう言った彼の瞳には光が宿っていなかった
「よせ!!」
彼の腕を強く引いた
その瞬間大きな爆発音が響き渡った
「う、そだろ・・・?」
彼は目の前で起こったことに声を漏らす
そして膝から崩れ落ち
「・・・独りにするな・・・っ」
と小さく呟いた
ひたっ頬に落ちる滴
「・・・雨、か」
サーと降ってくる雨
「これが君の望んだ結果なのか?」
空を見上げて小さく吐いた言葉は誰にも届かなかった
その後、崩れたホテルから霧島Aの血痕が見つかった
しかし遺体は見つからず、事実上彼は行方不明という扱いになった
あの事件後、テレビを観ると映るのは
霧島Aさん、25歳。一人の少女を救い行方不明
そのニュースばかりだった
しかしそれも長くは続かなかった
時が経てば人は忘れて行く
「時が解決しない者もいるんだがな」
彼は今日も少なからず誰かに探されている
例えば俺や安室くんのように、な
ふっと笑い俺は人混みに紛れた
after75 降谷side→←after73 降谷side
324人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2016年6月4日 8時