【怪盗レッド】人生そう甘くはない (ページ2)

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1 終わりの終わりページ2

クリスマスの夜。
やっとの思いでとある本を手に入れた
輝木Aは、軽い足取りで書店から出る。
『さみい、雪が降＿＿＿＿＿＿ｯ！?』
後半は声にならない叫びになる。
書店の前は道路だ。
しかも、よく車が通る
最悪だ。
少年がど真ん中で座りこんでいる。
其処に一台のトラックがクラクションを鳴らしやって来る。
『ふらついとる？……まさか、ブレーキが効いとらんとちゃうか！？』
Aは考えるよりも先に飛び出した。
＿＿考えてればもっと良い案あったんとちゃうかいな！＿＿
そんな後悔ばかりが出てくる。
だが此処で見逃せばこの先、一生悔やむかもしれない。
嫌、１００％悔やむ。
少年の横に辿り着いた。
トラックはすぐそこ間で来た。
下は雪。
ふっかふっかの地面。
『じゃあね♪』
少年に一声伝え、投げる。

クラクションがうるさい。
頭が熱い。
白のキャンパスに赤いインクが染みを作っていく。
さっき買った本“怪盗レッド”と“怪盗二十面相”にも絵の具が染み渡る。

駄目だ。

視界が黒く、歪んでいく。

嫌だ。

まだ。

駄目。

彼奴との約束が。

生きなくちゃ。

呼吸をしないと。

死にたくない。

「神は、意地悪だ」と誰かが言った。
その通りだとAは思う。

この事件は何日、何週間と渡って報道され続けた。

輝木Aさん(16)死亡＿＿＿＿＿＿＿＿＿。