6話 怒りのはず ページ8
「惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!そんな事が通用するならお前の家族は殺されていない」
あっ本当に忘れられてる。いや、炭治郎は忘れないでいてくれてるかもしれないけど、黒髪の人は私がいる事に気付いていない可能性がある。まあ体を起こせなくて降り積もる雪に埋もれてるからっていうのもあるんだろうけど。
「奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が、妹を治す?仇を見つける?笑わせるな!!弱者には何の権利も選択肢もない!!悉く力で強者にねじ伏せられるのみ!!」
段々黒髪さんの喉が心配になって来た。
「妹を治す方法は鬼なら知っているかもしれない!!だが、鬼共がお前の意志や願いを尊重してくれると思うなよ!!当然、俺もお前を尊重しない!!何故、さっきお前は妹に覆い被さった、あんな事で妹を守ったつもりか!?」
「何故斧を振らなかった、何故俺に背中を見せた!!そのしくじりで妹を取られている!!妹ごとお前を串刺しにしても良かったんだぞ」
黒髪さんは怒っている。いや、もしかしたら怒ってないのかもしれないけど。
つらそうな顔を、していた。
すると、黒髪さんは禰豆子の体に刀を刺した。
「やめろーーーーーーっ!!」
「禰豆子!!」
動け、動けと体に命じても、動く気配はない。それでも、それでも。
何度も炭治郎が石を投げて、黒髪さんが何度もそれを避ける。
炭治郎の体が影に隠れた時、斧を上に投げたのが見えた。
「あああああ!!」
炭治郎が黒髪さんへ走っていった時、無意識のうちに私のの体は動いた。
「炭治郎!!」
どす、と炭治郎の背中に刀の柄が刺さる。炭治郎が雪へ落ちる前に、なんとか私の体は間に合い、雪へ落ちる事は回避出来た。
ついでに、黒髪さんの足を軽く引っ張り、体勢を崩させる。すると、黒髪さんの直ぐ横に、炭治郎の投げた斧が刺さった。
...ごめんなさい、炭治郎。炭治郎が投げた斧だけど、血が流れるのは嫌なんだ。
「...お前、何故...」
「グアウ!!」
黒髪さんが私に話しかけようとした時、禰豆子が黒髪さんを蹴り飛ばした。その後、私と炭治郎へ向かって来る。
「...ねず、こ」
禰豆子は、私達を守る様に手を広げた。
家族思いの禰豆子らしい行動に、体の力が抜けて、一気に視界がぼやける。
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アリス - ミライノミチさん» ありがとうございます。とても励みになります。そのうち恋愛を増やしていくので、待って頂けたら泣いてバック転して喜びます。 (2020年11月23日 17時) (レス) id: e28dd41caa (このIDを非表示/違反報告)
ミライノミチ - 面白いです。いつも更新楽しみにしております。これからも頑張ってください。 (2020年11月23日 14時) (レス) id: 6244c3b093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/EHL/
作成日時:2020年10月17日 15時