5話 残酷 ページ7
黒髪の人が炭治郎の方へ向かい、禰豆子を奪った。
「禰豆子!!」
「動くな」
静かで、淡々とした声。
「俺の仕事は、鬼を斬る事だ。勿論、お前の妹の首も刎ねる」
「待ってくれ、禰豆子は誰も殺していない!!俺の家にはもうひとつ、嗅いだ事のない誰かの匂いがした!!皆を殺し...たのは、多分そいつだ」
炭治郎が必死に話す。私はもう、段々視界はぼやけて来たが、まだ倒れる訳には逝かない。
「禰豆子は違うんだ!!どうして今そうなったのかはわからないけど、でも」
「簡単な話だ。傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。人喰い鬼はそうやって増える」
この人は、どうしてこんな事を知っているのだろうか。
「禰豆子は人を喰ったりしない!!」
「よくもまあ、今しがた己が喰われそうになっておいて」
「違う!!俺の事はちゃんと分かっているはずだ」
確かに、禰豆子は先程涙を流していた。きっと、私達...というか、炭治郎の事は分かっている、はずだ。
「俺が誰も傷つけさせない!!きっと禰豆子を人間に戻す、治します」
「治らない。鬼になったら人間に戻る事はない」
「探す!!必ず方法を見つけるから殺さないでくれ!!家族を殺した奴も見つけ出すから、俺達が全部ちゃんとするから、だから...」
まるで、炭治郎の声が聞こえていない様に、黒髪の人は禰豆子に刀を向けた。
「やめてくれ!!」
炭治郎は、膝をつき、頭を下げた。
「やめてください...どうか妹を殺さないでください...お願いします.」
炭治郎の言葉に、禰豆子の顔が少し変わったのが見えた。いや、そんなはっきり見えないけど。
その人は、歯を噛みしめ。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」
この時、私思い切り忘れられてるなと思った。
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アリス - ミライノミチさん» ありがとうございます。とても励みになります。そのうち恋愛を増やしていくので、待って頂けたら泣いてバック転して喜びます。 (2020年11月23日 17時) (レス) id: e28dd41caa (このIDを非表示/違反報告)
ミライノミチ - 面白いです。いつも更新楽しみにしております。これからも頑張ってください。 (2020年11月23日 14時) (レス) id: 6244c3b093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/EHL/
作成日時:2020年10月17日 15時