22話 かわいらしい ページ26
突然、かわいらしい声が聞こえた。
驚いて顔を上げると、青みがかった髪に、深緑色の瞳の美少女がこちらを見ていた。花柄の着物がとてもよく似合っていて可愛い。すごく可愛い。
「あ、あの、あなたは誰?」
「私は真菰。あなたは?」
「私は、姫野A」
その少女_____真菰ちゃんに私の今の『試練』の事を話すと、何故かとてもびっくりした顔をされた。
真狐ちゃんは、私の動きの悪いところを指摘してくれた。
どこから来たのか、どうして私を手助けしてくれるのか、聞いても話してはくれなかった。
「私、Aが羨ましいな」
ある日、真菰ちゃんにそう言われた。
「え、何処が?」
真菰ちゃんはとても整った顔立ちをしているし、優しいし、頭の回転も早い。正直言って、私が真狐ちゃんを見習いたいくらいなのだ。
「...私、腕力もないし、体小さいし」
そう言って顔を伏せた。私は、すぐさま「そんな事、絶対ないよ」と言った。
「人には得意不得意が誰にだってあるもの。私はちょっとだけなら腕力あるかなーって思っているけど、真菰ちゃんみたいに頭良くないし、見ず知らずの人に色々教えられるほど優しくないし、器量悪いし」
...「可愛くないし」なんて言ったら、変態だと思われるよね。絶対。
私の言葉に、真菰ちゃんは目を見開いた後、
「...ありがとう、A」
そう言って笑み崩れた。
その笑顔のかわいらしさに、木の上にいた私は、可愛さのあまり落ちた。
この時、受け身を習っていてよかったと思った。
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アリス - ミライノミチさん» ありがとうございます。とても励みになります。そのうち恋愛を増やしていくので、待って頂けたら泣いてバック転して喜びます。 (2020年11月23日 17時) (レス) id: e28dd41caa (このIDを非表示/違反報告)
ミライノミチ - 面白いです。いつも更新楽しみにしております。これからも頑張ってください。 (2020年11月23日 14時) (レス) id: 6244c3b093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/EHL/
作成日時:2020年10月17日 15時