貴方だけなの...。

story33 ページ36

裕翔くんは私の命の恩人なの…







貴久と連絡が途切れてからは
何にもする気が起きなくて、生きてる意味が
分からなくなった。





学校帰りで信号待ちの時
後ろ姿が貴久に似てる人がいたの

思わず追いかけそうになった…

その時の信号は、赤。


車が来てることなんてどうでもよかったから
飛び出した。









その時、貴久に似てる人が後ろを振り返って
ふと顔が見えた…






『貴久じゃない…』



そう思ったら、体は止まった。


車の目の前で…

でも、その車は止まれるわけもなく
突っ込んで来た。









『あっ…死ぬな…』



そう思った時…









誰かに押されて、助かった。




その押してくれた人が裕翔くん。






もちろん、裕翔くんは大怪我して
病院に救急搬送






3日ぐらいかな…目を覚まさなくて
私のせいだったから、
時間があるだけ、裕翔くんに付き添っていた。




見ず知らずの私を助けてくれて、
私のせいで大怪我した裕翔くん…



今も脇腹とおでこには
縫ったあとがある。



前髪で隠してるけど…







目を覚まさないまま
3日目…
夜も遅く…お兄ちゃんに心配がかかるから
帰ろうと思った時



裕翔「ん…」






目を覚ました。




「あの…」



裕翔「…君は？」








「信号のところで助けてもらった、小山Aって言います。」









裕翔「怪我はなかった？」




「はい…‼」



裕翔「よかった。」









『どうして、見ず知らずの私の心配なんか…』







あとあと聞いたんだけど、なんか
体が勝手に動いてたらしい。




それから、連絡を取るようになり、
たまに会ったりもするようになった。









だからって、恋愛感情を持ったことはないけどね。

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