はるがここのつ ページ23
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気づいた経緯を一通り話し終えても何のリアクションも起こさないアイツに、続けて口を開いた。
「…………マジックはしてないし、在学中は友達も多い模範生だったし」
念のため言っとくとそれも自分から望んでしたことだ。
「何より親が殺されてない。
けど、私はアンタと同じ道を歩んだ。
此処までは、な」
此処まで、だ。
「……金田一のオジサンはお祖父さん譲りの推理力。
でも、血統が性格や人生を決めるのは人に選りけりだ。」
夢と、その真の目的みたいな決意、を話そうと思った。
誰にも話していない、癪だけどこの男にしか明かせないそれを。
「───────私は、
アンタの血に抗ってみせる。
警察官になって、刑事になって。
此処にも堂々と来られる立場になる。
それまでくたばんじゃねえぞ、」
歯を剥き出して笑うと、当分そうはなりませんよと憎たらしい言葉が返ってきた。
「腹立つわー……史上最年少目指してやる」
「…………気づいていますか?」
ん?
ずっと座っていたアイツが、スッと立ち上がり鉄格子の手前まで来た。
「貴女が今言ったことは全て、
私の影を追い求めているということに。」
「…………は?」
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作者名:camellia | 作成日時:2021年3月10日 9時