. ページ25
それから基本的に朝はマク先輩と1対1をやって、体育館内に人が増えてきたら自然とそれぞれの練習にうつる、ということを繰り返して3ヶ月が経った。
そんな日々がもう少しで終わると思うと悲しいな……。とミンジュが隣にいることを忘れて思わず目に涙を浮かべる。黙り込む私の顔を膝を曲げて低い位置から覗き込んだマク先輩は、私の様子を見て、｢えっ、まじ？｣と声を上げた。
｢先輩〜Aのこと泣かせないで下さいよ〜｣
｢えっ、まって、A？そんなに悲しかったの？｣
｢おーい、ミンジュ、A、帰ろうぜ……って、え？？何があった？？？｣
｢ドンヒョクあのね、マク先輩がA泣かせたの｣
｢ええ〜ヒョンマジっすか！女の子泣かせるとか……ちょっと……｣
｢ヤーヤーミンジュやめろ！誤解だから！｣
ギャンギャン、と騒ぐ声が聞こえる。
｢……先輩ともっと一緒にバスケしたかったです｣
その騒ぎの中だったら気づかれないかな、と思って呟いた声は案外大きくて、そこにいた3人全員に聞こえていた。ピタリ、と時が止まったように固まる3人を涙を拭いた目で見る。
｢……マクヒョン、どうしますかこれ｣
｢Aアンタ、本当に好きなんだね、バスケもマク先輩も｣
｢ああ……やばいマジで嬉しい｣
3人ともそれぞれの思いを口に出している。そりゃあそうだ。私が無事にバスケ部で活動できているのは、マク先輩のおかげでもあるのだから。
｢……本心ですよこれ｣
｢分かってる。俺、引退しても学校にはいるからさ。たまに部活にも顔出すから。そしたらバスケしよう？な？｣
｢学校で会ったら声かけろよ｣と私の頭に手を置いてはにかむ先輩。ううう、いい人過ぎる、と顔を歪める。ドンヒョクが隣で、変な顔してやんの、と揶揄う声が聞こえたが気にしない。こういう時の野次は大体自分に害があるものだし、思っていることを言っていないものだ。
｢俺は本当に可愛い後輩を持ったと思ってるよ｣
｢それ口説いてます？先輩｣
｢口説いてないってば！ミンジュも可愛い後輩の中にいるよ？｣
｢ちぇ、これだからモテる男は。気に食わねぇ｣
｢ドンヒョク？それ先輩に向かって言う言葉か？｣
わいわい、と騒ぐ私たち。昼休み終了5分前を告げるチャイムが鳴って、昼ごはん食べてない！と顔を見合わせて笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほのか(プロフ) - ジュンさん» はい！頑張ってください！ (2021年3月28日 15時) (
レス) id: a62bd22554 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン - ほのかさん» ありがとうございますー！TT 前回の更新から1週間もあいて待たせてしまいすみませんTT 文化祭の流れで色々ニヤニヤしながら内容を考えていました。これからも楽しみに読んでいただけると嬉しいです^^ (2021年3月28日 13時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 早く続きが楽しみです！！！ほんっとに楽しみなんです (2021年3月25日 11時) (レス) id: a62bd22554 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン - さなこさん» コメントありがとうございます！TT 感謝感激です…これからどんどん進展していく予定ですので是非ともこれからも楽しんで下さい^^ (2021年3月20日 13時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
さなこ(プロフ) - ぐおおおおという気持ちでたのしませてもらってます(褒め言葉です) (2021年3月18日 23時) (レス) id: a10af9d64e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2021年2月28日 20時
