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九話 ページ10

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「嘘…だろ」


もし、あの人が其方側なら、俺は如何したら…


「…中也?如何かした?」

「いや…なんでもねえ」


如何、したら…

其の時だった。
突然の声。見れば、包帯を巻いた男が立っていた。


「初めましてお嬢さん達。
是非とも心中を申し込みたいところだが、其れはまた今度にしよう。

…死んでもらおうか。ナカハラチュウヤ」

「…は?」


其の男は、良く分からない事を口に出した後、
攻撃を仕掛けて来た。

…弾幕。


「ちょ、一寸中也!?
誰!?知り合い!?」

「んな訳ねえだろ!」


取り敢えず避けて、戦闘態勢を取る。


「へぇ、良く避けたね。
面倒だなァ、君結構強いの?
…全く、首領(ボス)の命令じゃなきゃやんないのに」

「手前誰だよ!?
行成仕掛けて来やがって…」

「僕は太宰治。君を殺す者さ、ナカハラチュウヤ」


気色悪い笑みを浮かべて云った太宰。


「まァ良いや。
今日は下見みたいなものだし。
また逢おう」

「絶対来んな…包帯野郎…」


行成現れ、行成消える。
まるで嵐の様な其の男は、去って行った。


「中也!大丈夫?」

「…嗚呼。
彼奴、良く避けたね、なんて云ってたが…
態と外した。今回は殺さないとでも云うのか」

「太宰治って云ってたけど、此処らじゃ聞かない名ね。
話を戻せば、“リンタロウ”と“エリスちゃん”もよ。

…同じ外来人かもしれないわ、何か知らない?」

「…いや、知らね…
…!?」


唐突に頭に激しい電流の様な痛みが走る。


「ちょ、一寸?」

「…霊夢、俺…なんか忘れてるかもしれねえ」

「え?」

「なんか大事な事を…忘れてる…様な…
首領(ボス)とお嬢の隣に居た…お前は誰だ!?」


黒いもやがかかった様に記憶がはっきりしない。
でも、いつも首領(ボス)の隣に居た彼奴は…









__誰、だっけ。

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作者名:みるくれーぷ。 | 作成日時:2019年3月8日 22時

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