八話 ページ9
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「…ん…」
「…お、目ェ覚めたみたいだな」
「貴方は…
私を助けて呉れた人…?」
「あら、フラン起きたのね」
「フラン!良かった、目を覚まして」
フランが起きた事で次々と人が集まって来る。
「あー…
改めて、俺は中原中也だ」
「私はフランドールスカーレット。フランで良いよ」
「…フランドールでフランなんだな。
良い名前じゃねえか」
なんとなく頭を撫でると、
フランの顔が赤くなる。
「…?如何かしたか?」
「な、何でも無いよ」
「身体が平気そうなら、話して呉れねえか。
此処までの経緯と暴走について」
「…うん」
先刻と打って変わり、
真剣な顔付きになったフラン。
「多分…ていうか絶対、あの時なんだ。
人里に遊びに行った時に、男の人と女の子に会ったの」
「…其れで」
「其の女の子が注射器を投げて来た。
行成だったし、凄い速度で避けられなかったんだ」
「…注射器…」
なんか嫌でも想像しちまうな。
そんなの、まるでエリス嬢じゃねえか。
「其の後は、紅魔館に帰って来てから身体の自由が効かなくなって…
誰かが私の身体を動かしているのを、ずっと私は中で見てる…って感じ」
「暴走化…というより、操りとか洗脳じゃないか?
私達にもそういう魔法は難しいのに…なァ、パチュリー」
「…そうね。回復魔法や精神的な魔法は、
比較的扱いずらいものが多いわ。
…つまり、今回の敵も骨が折れる程強い事が予想されるわね」
パチュリーと呼ばれた女が話す。
「…へぇ、楽しくなって来たじゃねえか」
「「「(((戦闘狂なんだ…)))」」」
「其の男と女の外見は?」
「…男の人は、何処にでも居る中年っぽい感じだったかな…?
いやでも一寸イケメンだったかもな…
白衣似合ってたし…あ、女の子は凄い可愛かったよ。
赤いワンピース着てて金髪の髪。結構長かったかな」
…ぞく、と背中に寒気が走った。
此れではまるで。
まるで、まるで…
「後ね、其の人達、
“エリスちゃん”と“リンタロウ”って呼び合ってたよ?」
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作者名:みるくれーぷ。 | 作成日時:2019年3月8日 22時