二話 ページ3
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「お嬢様」
メイドがそう呼ぶと、主人らしき女が振り向く。
「嗚呼、貴方が咲夜が助けた子ね」
此奴咲夜って云うのか。
「其の、子って云い方はやめて呉れないか。
俺はもう子供じゃねえ」
「そう？私にとっては皆子供なんだけど。
まァ良いわ。貴方、外来人ね？」
「外来人ッてのが良く分からねえが…
何となく、此処は彼処と違う気がする」
「そう…記憶はあるのかしら？後は、身体が変わったりは？」
「特に無いぜ」
何時もの、16の俺の身体。
ポートマフィアに居た頃と何にも変わらねえ。
記憶も全部ある筈だ。
「此の世界について教えて呉れねえか。
ええと…お嬢さん」
「あら、ご紹介がまだだったわね。
私はレミリアよ。レミリアスカーレット。
咲夜から聞いてるかもしれないけど、此処の主人」
「そうですか、お嬢様」
「其の呼び方やめて呉れないかしら」
「じゃあレミリア嬢で」
エリス嬢の名残りだ。
…もう、横浜には戻れねえのかな。
「此の世界…幻想郷の事を聞くなら、相応の人物が居るわ」
「霊夢を呼びますか？
お嬢様」
相応の人物ってのは霊夢っつーのか。
情報が多いな。
「良いわ、私が行く」
「ですが…」
「良いのよ。私はもっと此の人と話したいし。
ねえ、貴方名前は？」
「俺は中原中也だ。
好きに呼んで呉れて構わねえ」
じゃあ中也ね、と笑った顔が少し…エリス嬢に似て居た気がした。
「じゃあ博麗神社に行きましょう、中也。
咲夜、留守にするから頼んだわよ」
「はい、行ってらっしゃいませ。お気を付けて」
中に居る時も思ったが、結構でかいな此の屋敷。
「なァ、気になってたんだが其の羽なんだ？」
蝙蝠みたいな羽…
ドラキュラとかか？
「そう！貴方其れを全然聞かないからおかしいと思ってたの。
外来人はまず最初に此れを指摘する様なもんなのに」
「そう…なのか。
なんか能力が関係してんのかと思ってな」
慣れだろ最早。
「何故能力を知っているの？
もう咲夜から聞いた？」
「え、あー…俺が居た世界にも異能があったから」
「ふーん…
貴方、其の異能って奴使える？」
「…多分」
使える気がするんだよな。
なんとなくだけど。
「取り敢えず、能力も霊夢の処で説明するわ。
飛ぶから捕まって？
＿＿あら。飛べるなら云いなさいよ」
「ちゃんと使えたぜ、異能」
「そう。じゃあ行きましょうか」
「嗚呼。…空中散歩と行こうぜ、レミリア嬢」
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作者名：みるくれーぷ。 | 作成日時：2019年3月8日 22時
