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一話 ページ2

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「ッ!」


目が覚めて、居たのは何処とも知れぬ場所だった。
敵に生かされて情報を吐かされるのか、将又助かったのか。

…でも、何故傷が無い?


「あら、お気付きになられましたか」


「…メイド?」


思わず口をついて出る。
今のご時世、こんな奴がまだ居るのか。


「其の通りです。
私は此処、紅魔館のメイド長を務めております」


「紅魔館…聞かねえ名だな。
で、何が目的だ。情報なら吐かねえぞ。

拷問でもするか?闘うか?相手になってやるよ」


「情報?何を仰っているのです?
拷問?闘う?

貴方は此の屋敷の近くに瀕死の状態で倒れていたんですよ」


瀕死の状態で倒れていた…
敵からモロに食らった攻撃で、俺は死んだ筈なんだが…


「じゃあなんで治ってんだよ。
何の異能だか知らねえが、俺は帰って__

…は?」


取り敢えず首領(ボス)に報告しなくては、と、
近くにあった窓から出ようとする。

だが、手も足も止まった。


「おいおい…本当に何の異能だこりゃあ…?
横浜とかけ離れてんじゃねえか」


「貴方は、此の世界の者では無いと思います。
此処は幻想郷。幻想となった者達が集う場所です。

見た処、貴方は外来人でしょう」


「幻想郷…?外来人…?」


流石に信じられなかった。
だが、俺が手古摺った相手が、
こんな下手な嘘を抜かすとも思えなかった。


「手前、ちっと聞いて良いか。

此処等に横浜って地形は無いか?
抗争があったとか、何か情報が欲しい」


「横浜という地形は知りません。
抗争…最近は異変も少なく平和です」


此処は異国の地…
信じられない事実が近付いていた。


「…そろそろ、我が主人と会って話をして頂きたいのですが…
動けますか?」


「嗚呼。結構な傷負ってた筈なんだが…」


「此方で治しました。
詳細は後で話しますので、今は移動しましょう」


「…こんなナリで主人とやらに会って大丈夫か?」


怪我をしたのは事実、
つまり服がぼろぼろだった。


「仕方ありません。
…着きました。此処がお嬢様の部屋です。

無礼の無い様に」


メイドはドアを開けて、静かにそう云った。

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作者名:みるくれーぷ。 | 作成日時:2019年3月8日 22時

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