１１話「呼び出し」 ページ13
ちょうど講義が終わり次の講義までの時間何しようか考えてた時だった。
「小牧っ！」
慌てたように息を切らしながら純也が駆け込んできた。
「どうしたの？すごい汗だけど。」
「本当、申し訳ないんだけどAの学校に行ってきてくれ！」
頼むっと手を合わせ純也が申し訳なさそうに言った。
「別に大丈夫だけど、どうしたの？Aちゃんなんかあったの？」
「いや、よくは分からないんだけどなんか揉めたみたいでさ。相手のご両親はきてるんだけど俺たちは親いないし、ちょっと俺はゴタゴタがあっていけなくなっちまって。」
「分かった。じゃあ行ってくる。」
本当にすまないと言う純也に大丈夫と声をかけてAちゃんの学校に向かった。
「えーっと。つまり、Aちゃんがお嬢さんに回し蹴りしたってことですか？」
説明されたことにかなり困惑していた。
暴力を振るうようなことはないAちゃんが相手の子に回し蹴りを食らわせたというのだ。
しかも食らわせた記憶がないという。
「ごめんね、小牧お兄ちゃん。」
しゅんと肩をすぼめAちゃんが小声で言った。
「大丈夫。」
心配そうに見上げるAちゃんに、小さな声で返した。
「そうよ！この子ったらうちの子にいきなり暴力を振るってきて、もしこの子が大怪我してたらどうするつもりだったの！？」
相手の母親はキンっと高い声でまくしたててきた。
相手の子は保冷剤で腕を冷やしながらも啖呵をきる母親に困っているようだった。
「お母さん、いいの、私が悪いから。私がAちゃんに酷いこと言っちゃったから。」
最後の方は詰まらせながら言っていた。
どうやら子供の方は反省しているようだった。
その後、こちらの謝罪と相手の子によってなんとか場は収まったがやはりAちゃんに元気はなかった。
帰り道、話すことなくただ手を繋いで歩いていた。
「ごめんなさい。」
「どうして謝るの？」
「だって小牧お兄ちゃんに迷惑かけちゃったし、暴力まで振るっちゃったし。」
Aちゃんはうつむきながら言った。
自分より小さなその体はより小さくみえた。
「暴力を振るったことに関してはいけないことだと思う。でもね、先に言ってきたのは向こうでしょ。それにAちゃんはちゃんと謝った。もう、十分だよ。」
Aちゃんはギュッと手を握った。
何も言わずに唇を噛み締めながら。
「ありがとう。」
その小さな声は今でもはっきり覚えている。
ラッキーキャラクター
柴崎麻子
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れな(プロフ) - すっごく面白いです！続き楽しみに待ってますね！！！ (2015年11月4日 18時) (
レス) id: 3b173fdd44 (このIDを非表示/違反報告)
天桜(プロフ) - 間違えてオリフラ付けてました。すみません。ご指摘ありがとうございます！ (2015年10月8日 20時) (レス) id: e91e127ffc (このIDを非表示/違反報告)
めーぷるのーと。(プロフ) - すっごく面白いですね！まさか郁ちゃんや麻子様の同僚になれるとは思いませんでした（笑）。これからも応援するので更新頑張ってくださいね！p(´∇｀)q ﾌｧｲﾄ~♪ (2015年10月8日 18時) (レス) id: 9008fe2fe6 (このIDを非表示/違反報告)
きてぃ(プロフ) - オリジナル作品ではないのでは…？ (2015年10月8日 8時) (レス) id: d1c5a148e7 (このIDを非表示/違反報告)
気ままな猫丸@鷂の嫁(プロフ) - オリフラを外してください (2015年10月8日 7時) (レス) id: 081fbcdde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天桜 | 作成日時：2015年10月7日 16時
