本と花【図書館戦争】

１０話「懐かしい」 ページ12

「で、堂上その真っ赤に腫れた頬はどうしたの？」

小牧がお腹をさすりながら聞いてきた。

いきなり人の部屋に来て、飲もうと入ったはいいが俺の顔を見てどうやら笑い上戸のスイッチが入り5分間ほど息ができなくなるほど笑っていたのだ。


「どうしたもこうしたもAに蹴られた。」

「蹴られたって頬を？」


互いに缶ビールのバルブを開けながら話した。

いちいち取りに行くのが面倒なのですでにテーブルの上には何本かの缶がある。

「あぁ。いきなりだからな。受け身は取ったが流石に避けることはできなかった。」

「Aちゃんが堂上に回し蹴りねぇ。」

「しかも、あいつ自分の言ったこと覚えてないそうだ。」


半ば愚痴るかのようにこぼしごくりと飲んだ。

そんな堂上に肘をつきながら小牧が懐かしそうに口を開いた。


「そういえばあったな、そんなこと。」

「そんなこと？」

「今回の件みたいなこと。あれはAちゃんが中二で俺が大学生の時の話かな。」


小牧はふっと笑みをこぼした。

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ラッキーキャラクター

柴崎麻子

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