本と花【図書館戦争】

３話「ずるい」 ページ5

いきなりの低い声にビクッとしながらも後ろを見ると堂上教官本人が反対のテーブルの椅子に座っていた。


「な、何でこんなところにお、おられるのでしょうか！？」

「俺がこっちにいてはダメなのか？」


それからと付け加え、


「無理して敬語にしなくていいぞ、さっきの口調の方がよほど楽そうだったしな。」


横で山猿？がキィーッ！と怒っているがあえて触れないことにしよう。


「チビのクソ教官か…俺も人間だからたまたま耳に入った罵詈雑言が指導に影響しないとは言い切れないが。まぁ、鏡月に聞かれなかったことだけは唯一の幸運だと思え。」


あー…あの腹黒兄貴に聞かれたら今後の訓練で恐ろしいほどしごかれそうだもんな。


「でも、あたしは褒めてましたからね？」

「私も柴崎同様笑っていただけですから。」


その言葉を聞いて横で山猿がガツガツご飯をかきこんでいる。


「早食いは体に悪いよ。」


笑顔で声をかけてきたのは


「あ、小牧さ…教官。」

「今は休憩時間だし無理して教官って呼ばなくてもいいよ。」


そう言って堂上教官の隣に座った。


「それにしても笠原さんは元気だね〜、訓練の後で普通ならへばってるのに。」

「まぁ……元気が取り柄ですからね。」


元気すぎるけどと苦笑した。


「でも小牧さんがなんでこっちの食堂に？」

「あっちの食堂は基本的に精進料理だからね。今日はこっちの日替わりの方が美味しそうだったんだ。」


ふと横でガタッと音をたてて笠原が立ち上がった。


「あーもうっ！教官が隊員食堂使うなんて反則。柴崎、鏡月行こう」


そうブツブツ呟きながら笠原が行ってしまうので急いで残りを食べ着いていった。

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ラッキーキャラクター

柴崎麻子

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