グッバイ・サマー！…ロビンフット ページ4
※サバフェスより
「え、マスターまだ部屋に戻ってないのか？」
「ええ、ビーチを散歩してくるって言ったっきりよ。」
まったく、勘弁してほしいねえ、なんてぼやきながらも心配なので探すことに。なんでも10分で戻ると言ったのにかれこれ40分経過しているとのこと。
人気のないビーチ。昼間とは打って変わってあたりに静けさが広がっている。波の音がまた違って聞こえるような気がした。
「おーい、マスター！」
「ロビン。」
マスターは砂浜に座って海を眺めていた。にこにこと笑って手招きをしている。
「アンタ、時間にルーズな人でしたっけ？もう40分らしいですよ？」
「あ〜…そっか…荷造り…。」
「…なんだか元気ないみたいですけど？」
「ん〜…。」
マスターはいきなりサンダルを脱いで海の水に足をつけた。なんだかそれがマスターが消えるんじゃないかと嫌な考えが頭をよぎった。とっさにぐっとマスターの腕を掴んでしまった。
「っマスター…。」
「なあに。」
「アンタ、死なないだろうな。」
「海に入るだけだよ。」
するり抜けていくマスター。ぱしゃぱしゃと浅いところで遊んでいる。
「ループがやっと終わって、これが最後の夜な訳だけど、ロビンはもうその水着は着てくれないの？」
「いや…俺だけこの水着はマズイっしょ…完全にカルデアで悪目立ちしますよ。」
「はは、そっか。」
ざあっと風が吹いた。水着姿のマスターもこれで見納めなのかと思うと俺自身もなんだか名残惜しいと思う。淡い水色のパレオなんて、このちんちくりんには早いとか馬鹿にしてた自分はいつの間にか居なくなっていた。
「ロビン。」
「はいはい、なんですか。」
「ハワイ、また来ようね。全部終わったら今度は二人で。」
「はは、そん時まで死ななきゃ付き合いますよ。」
くすっとわらったマスターに今年の夏の終わりが近づいてくるのが分かった。
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