編集者の苦悩は続く…chi ページ10
作家というのは今も昔も、曲者というのか、変人とでもいうのか。
「だーかーらー！こんなん絶対中学生むけやないって！」
「なら高校生が読めばいい。」
「高校生でも若干難しいわ！いきなりシュレディンガーの猫とか言われてもわからん子の方が多いやろ！」
彼女もまた作家な訳だが、自分の書いたものは分かる子だけが読んでくれればいいというスタンスであるために、依頼内容と若干異なるものを書いたりする。…まあ、今が絶賛それなのだが。
「お願いやからここの説明もう少し分かりやすく…。」
「その代わり文量が増える。」
「〜〜〜〜っ！この際構わんから！それで書いてくれ！」
「…分かった。」
床に散らばった資料を集めてAさんのデスクに置いた。懐中時計を見てみればもうお昼時だという事がわかり、いつものように台所を借りる。
「今日はオムライスが食べたい。」
「はいはい。今日こそはグリンピースちゃんと食べてもらいますからね。」
「嫌だ。」
カタカタと文字打ちをするAさんを見て、黙っていれば美人なんだけど、なんて思ってしまう。というか、なんで俺は編集担当者だから様子を見に来ているだけなのに家事をしているんだ。
「ほら、オムライス出来ましたよ。はよ食べて下さい。」
「ん。いつも通り不格好だな。」
「うっさいですね。」
一口すくって美味しそうに食べてくれるのは正直嬉しいが、なんでグリンピースや嫌いなものをよけるかな。
「なあ、チーノ。」
「なんすか？」
「実は、ずっと書きためている話があるんだ。」
「は？聞いてないんやけど…？」
Aさんは俺に分厚い紙袋を手渡して一週間以内に返事をくれと言う。
「んな無茶な！ほかの原稿のチェックもあるんやで…？」
「早急に返事が欲しくてね。」
頭を抱えながら家に帰ってAさんの原稿に目をとおす。普段は書かない恋愛ものに困惑しながらも読み進めていくうちにどんどん既視感があるやり取りが出てくる。
「……。」
＿＿
＿
三日後、最後まで読んだ俺は居てもたってもいられずにAさんの家に走った。インターホンを鳴らして息を切らしているとゆっくりとドアが開かれる。
「返事は？」
「あんなぁ…告白くらい、ちゃんと口に出してほしいわ…。俺が、アンタの提案、断ったことありましたか？」
「いや、ないな。」
くすくすと笑ったAさんはいつもに増して綺麗に見えた。
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羅威那(プロフ) - 兎餅さん» ただいまリクエスト消化滞っておりまして…いつ書き上げることができるか分かりませんがそれでもよろしければ… (2022年4月28日 23時) (
レス) id: c967219d95 (このIDを非表示/違反報告)
兎餅 - sinpさんが、ヤンデレ化して夢主を閉じ込める系のって、書けますか……？ (2022年4月24日 7時) (レス) id: 1c6f84240e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ありがとうございます！お待ちしてます！ (2020年3月14日 3時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - ひかるさん» ひかるさんリクエストありがとうございます。最近思うようにかけず、更新が滞っておりますがそれでも良ければお待ちいただきたく思います。 (2020年3月13日 22時) (レス) id: ac81da58c3 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - knさんが嫉妬してる感じのお話読みたいです…！！ (2020年3月9日 21時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
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