恋は毒だという小説…kn ページ44
毒は静かに、私を苗床として着々と育っていたようだ。
私はこの王国の隅で物語を書いている。さして人気があるわけでもない。有名でもない。しかしながら細々と原稿をしたためるこの日々が気に言っていた。その穏やかな日々は、水に波紋が広がるように徐々に変わっていった。
「なんやこの話。」
「ああ、最近流行ってるやつな。意中の異性に届かない恋を綴るって売り文句らしい。」
「ほお。」
手にとって読んでみれば自分には程遠いものと思えてすぐにそれを閉じた。しかしこれをどのような心境で書いたのかは正直興味はある。文学より新書を好んで読んだが、久しぶりに触れたからかたまにはいいものだと感じた。
「なんやシッマ興味あるんか。」
「ん、なんとなく、なんとなーくやな。」
大先生は珍しいと呟くと微笑んだ。
買って読んでみれば描写に驚いた。まるでこの作者が本当に経験していたかのような――。
「大先生…俺、涙出てきたわ…。」
「嘘やろ？！」
読んだら夜が明けてしまった。今日が休みでよかったと思いあくびをする。
そういや唯一の女友達のアイツは元気にしているのだろうか何故かこの物語を読んでから頭に浮かんでそのままになっている。確か作家志望だと聞いた気がしたがなぜかその話にはならなかった。意図的にその話を避けていたという素振りもなかったはずだが…
「取り敢えず連絡するか…。」
ぽそっと一人で呟いてスマホを操作する。
「もしもし？」
「おん、コネシマやけど…。」
読んだ小説に感化されただけだ。そう思ったが、口から出た言葉は
「俺さ、お前の事――。」
会えない時間は確かに俺の中で大きくなっていたようだ。確かに恋は毒なのかもしれない。
「え、ごめん、聞こえなくて。もう一回言ってくれる？」
「あー、すまん。今週の土曜、空いてたら飯でも食いに行かん？」
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羅威那(プロフ) - 兎餅さん» ただいまリクエスト消化滞っておりまして…いつ書き上げることができるか分かりませんがそれでもよろしければ… (2022年4月28日 23時) (
レス) id: c967219d95 (このIDを非表示/違反報告)
兎餅 - sinpさんが、ヤンデレ化して夢主を閉じ込める系のって、書けますか……？ (2022年4月24日 7時) (レス) id: 1c6f84240e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ありがとうございます！お待ちしてます！ (2020年3月14日 3時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - ひかるさん» ひかるさんリクエストありがとうございます。最近思うようにかけず、更新が滞っておりますがそれでも良ければお待ちいただきたく思います。 (2020年3月13日 22時) (レス) id: ac81da58c3 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - knさんが嫉妬してる感じのお話読みたいです…！！ (2020年3月9日 21時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
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