ちらり見えた恋心…sha ページ43
グローブにボールがぶつかるあの特有の音がする。俺はこの音が好きだった。あいつと唯一、自然に話せる時間だから。
今日は俺らの部活が休みの火曜日だった。だから、あいつを誘ってキャッチボールをする。
あ「あーあ…私ももっと可愛く生まれたかったなぁ。」
シ「なんや突然。」
ぱしんとAのグローブに吸い込まれていくボール。あいつはそれを見て少し悲しそうに笑う。
あ「だって、そうだったら……。」
そこまでで言いよどんでボールを投げてくる。中途半端に言われたせいでとても気になってしまう。
シ「まさか、好きな奴でもおんの。」
あ「別に……。」
お前、自分がうそつくとき少し下向くの気付いてないんだろうな。どうせ、その好きな奴もおれじゃないんだろう。
シ「ふぅん……好きな奴、ねぇ。」
また報われなさそうな雰囲気に憂鬱になる。「いや、こんなの慣れてる。」自分にそう言い聞かせてもつらいものがある。
あ「じゃあ野球一筋シャオロンさんは好きな人居ないんですか！」
強めに投げられるボール。わりと本気で投げたんだろう。油断していたために腕が持ってかれそうだった。
シ「おい、ソフトボール部…いきなり本気で投げんなや……。」
なんとなく手のひらがひりひりする。それにしても好きな人の話になってしまった。このままだと告白する羽目になるので「いない」とうそをつく。
あ「じゃあ、タイプは？こんな人だったらいいなあって人。」
シ「……はぁ？」
夕焼けによく映える笑顔。体育館やサッカーグラウンドからは部活動の声が聞こえるが、その笑顔を見れているのは自分だけだ思うとなんだかにやけてくる。
シ「そうやなぁ……キャッチボール出来る子。」
あ「えっ……。」
ボールを受け取りながら外の部とは思えない白い肌を真っ赤にしているA。
シ「俺のタイプ喋ったんやからAのタイプ教えろや。」
あ「……シャオロンと同じ。」
間抜けな声が出る。こんな分かりやすい脈ありサインってあるのか。いや、これはもしかして別のやつか、おれじゃない別なやつ。
あ「シャオロンと同じでね、キャッチボール出来る人。それから一緒にバカやれる人！」
バシッとグローブから出るおと。
その音は心臓の音にかきけされてしまった。
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羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» 喜んでいただけたようでなによりです。体調まで心配していただけるとは……。これからもこの作品をよくしていくため、日々頑張ります！ (2018年7月20日 8時) (
レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 羅威那さん» リクエスト消化有難う御座います。描写が美麗鮮烈で感嘆に尽きます。影ながら応援しております。最近は内外の寒暖差が激しいですのでお身体には十分お気をつけ下さい。並びに度重なる長文申し訳御座いません。 (2018年7月19日 16時) (レス) id: cabb857a13 (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» わかりました、わざわざありがとうございます！本当に例えるなら万華鏡みたいな感じですね！ (2018年7月19日 2時) (レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 羅威那さん» 其の辺りの主観は作者さんにお任せしますが、そうですね。敢えて言うなればカラフルで次々とめまぐるしかったり、完成した物が一瞬で壊れてしまうとか、壊しているのは回し手であるとか同様の模様が反射でずっと続いているとか。なんか上手く言い表せなくてすみません。 (2018年7月18日 22時) (レス) id: cabb857a13 (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» ひとらんの学パロで病みですね？分かりました。すいません、教養等がないために万華鏡みたいな恋…というのがいまいちピンとこないのですがこういう事です、というのがありましたら説明をお願いできますか？ (2018年7月18日 21時) (レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
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