知ってる(ﾘｸ)…ut ページ17
知ってるんや、Aちゃんが僕を見ないことくらい。
鬱「Aちゃん、これ運ぶの手伝ったるよ。どこまで？」
あ「……資料室。」
どれだけ話をしようとも、Aちゃんとの距離が縮まる事はない。あったとしても、僕の望む形ではけしてない。
鬱「Aちゃんて休日何しとんの？」
あ「読書とそれから、絵描いたり……音楽聞いたりしてる。」
黒い瞳が揺れたような気がした。でも、それは気のせいなんだ。Aちゃんはなんせ恋に興味がない。
資料室につくとAちゃんが荷物を持ったまま扉を開けようとしていたから代わりに開けてあげた。
他の子なら優しくしとけば落ちる。けど、この子は違うんだ。意味がないと分かっていてもそうしているのは本当に惚れているからやと思う。
資料や荷物を片付けているとAちゃんがふいに話しかけてきた。
あ「大先生、もう……私の事は手伝わなくていいよ。」
鬱「……へ？なんでや。」
顔はこちらに向けず整理しながら淡々と話をつづける。
あ「……知ってるよ。大先生の好きな人。
こんなの辛くなるだけだから、止めたほうがいいよ。」
嗚呼、ばれていた。一番怖いと思っていた事が起きていた。これからAちゃんとどう話せばいい？判らなくて僕は下唇を思わず噛んでうつむく。
あ「私は、大先生の気持ちに応えることは出来ないんだよ。恋に興味がないし、そもそも……そういった感情がどういったものか、いまだ分からないから。」
「ごめんね」そういうAちゃんの声色はとても申し訳なさそうで、やるせなさだけが募る。でも、知ってるんや。僕はそう言われても絶対諦められない。
鬱「Aちゃん、それでも……いいから、僕ともっと、お話してや……Aちゃんが僕の事なんとも思ってなくても、好きなんや……。」
触れた事もない子の事を想って、涙が一筋流れた。どうしようもないくらい、Aちゃんが好きなんやなって、知っとったけど。
鬱「……それも、駄目なん？」
あ「さすがに、そこまで強制するまでの権限は私には無いよ………。」
不安そうに笑うAちゃんがこちらを振り向いた。ごめんな、Aちゃん。本気で好きになってしまったんや。知っとると思うけど。
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羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» 喜んでいただけたようでなによりです。体調まで心配していただけるとは……。これからもこの作品をよくしていくため、日々頑張ります！ (2018年7月20日 8時) (
レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 羅威那さん» リクエスト消化有難う御座います。描写が美麗鮮烈で感嘆に尽きます。影ながら応援しております。最近は内外の寒暖差が激しいですのでお身体には十分お気をつけ下さい。並びに度重なる長文申し訳御座いません。 (2018年7月19日 16時) (レス) id: cabb857a13 (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» わかりました、わざわざありがとうございます！本当に例えるなら万華鏡みたいな感じですね！ (2018年7月19日 2時) (レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 羅威那さん» 其の辺りの主観は作者さんにお任せしますが、そうですね。敢えて言うなればカラフルで次々とめまぐるしかったり、完成した物が一瞬で壊れてしまうとか、壊しているのは回し手であるとか同様の模様が反射でずっと続いているとか。なんか上手く言い表せなくてすみません。 (2018年7月18日 22時) (レス) id: cabb857a13 (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - 鵯(ひよどり)さん» ひとらんの学パロで病みですね？分かりました。すいません、教養等がないために万華鏡みたいな恋…というのがいまいちピンとこないのですがこういう事です、というのがありましたら説明をお願いできますか？ (2018年7月18日 21時) (レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
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