＊hotel del luna＊ (ページ2)

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酒屋「お前さん、この棺桶に、一体どんな面倒事をもたらしたんだい？」

マンウォル「あいつらは、私のせいで死んだ者たちだ。」

酒屋「そして、これ(棺桶)のために、あの落武者達を殺ったんだね」

全てお見通しの酒屋の主人の首元に、剣を突き付けるマンウォル。

マンウォル「口を慎め。その場所への行き方だけ、話せ！」

その剣には"満月"。そう彫られていた。

"満月"と掘られた剣を見た主人は焦る様子もなく、

酒屋「満月かい？ずいぶん多くの恨みを貯め込んだ月だねぇ」
と呟く。

マンウォル「話せ！

私が殺した者たちへの責任は取るつもりだ」

酒屋「お前さんには、責任など取れないよ。

他人の人生の面倒を見るなんて力はないさ。」

マンウォル「いらぬことを言い続けるなら、舌を切り刻んでやると言っただろ。

いいから、そこへ行く方法を話せ。

もし、自分が死んだことをわからせることが出来る場所に行けるのなら、自分の命さえ惜しくない」

そういうと今度は、
自分の首元に剣を突き付けるマンウォル。

酒屋「なんて、可愛そうな魂なんだろうねぇ。

自分の命を犠牲にさえすれば、すべて償えると考えてるんだろうが

そんなのは無駄な欲望だ」

マンウォル「これが、私にできる唯一のことだ」

酒屋「月の宿屋には、死んだ者の魂が集まっているそうだ。

死者の魂は、彼ら自身の意志でそこにとどまり、彷徨っているんだ」

そこまで話していると、

酒屋の主人の視線の先には、馬の一団が、、、。

ゆっくりと振りかえるマンウォル

馬に乗る連中が向かってくる。

睨みつけ、一歩一歩、一団に向かっていくマンウォル。