＊hotel del luna＊ (ページ1)

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no side

-1000年前

ある日の夜
荒野で1人、荷台を引く馬をつれた女性が歩いている。

そのとき彼女の付けていたショールが、風に飛ばされて、彼女の顔が見える。

後のデルーナの主人マンウォルだ。

どこかで戦ってきたのか、彼女の顔は汚れていた。

そのとき彼女はある場所にたどり着いたようだ。

そこは「酒」という暖簾だけ吊るされた簡単なテントのような居酒屋だった。

酒屋「どこから来た？ここは、お前さんが酒を飲める唯一の場所だよ。MUZUから来たのかい？しかし、あんたは、Georanのようには全く見えないけどねぇ。」

店の女店主が話しかけてくる。彼女はじっと黙って、酒を手酌する。

酒屋「それとも、Malgalからかい？おやおや、お前さん、剣を持ってるね？剣士なのかい？」

ドンッ

彼女は飲み干した酒椀を置く。

マンウォル「酒は、恐ろしくまずく、うるさくてかなわん」

酒瓶を手に持つと、棺桶にかけるマンウォル。

酒屋「誰が死んだんだい？それとも、あんたが殺した誰かかい？」

酒屋「こんなひどい天気の中でさえ、ここの場所を通ろうとするような人間には2つのタイプがあるんだよ、誰かを殺した者か、死にゆく者か・・・。」

マンウォル「そんな大口を叩きながら、無駄に長生きしたようだな。あんたの舌を切り刻むべきか、そしたらもう少し、安全に生きられるだろうよ」

酒屋「このおいぼれの舌じゃ、旨い酒の味もわからないかもしれないが、それでも凌ぐ方法くらいは知ってるさ。お前さんは、もうずいぶん、長いこと彷徨ってるようだね。一体、どこに行く気だね」

マンウォル「宿屋を探してる。この荒野のどこかで、死者の魂を慰める宿屋がある、と聞いた。」

酒屋「お前さんは、月の宿屋を探してるんだね」

マンウォル「知ってるのか？」

酒屋「この世で、まだ彷徨い続ける死者のための宿屋があるっていうのは聞いたことがあるよ」

マンウォル「それはどこにある？どこに行けばいい？」

酒屋「バカなことを言うもんじゃない、行けるものか。そこに行けるのは死者だけさ。ほら、あっちに立ってるあいつらのようにね」

そう言って酒屋の主人が見た方向には落武者っぽい亡霊が無数に立っていた。