15周年記念番外編 徒花の戯れ言 3 ページ3
……。
……あ、Aって僕のことか。
まだ少し、貰ったばかりの名に戸惑う時がある。
貴女「はーい。」
千鶴「Aさん、起きてたんですね。もう朝食の時間ですけど、いらっしゃらなかったので。」
貴女「もうそんな時間でしたか。」
確かに、陽の光の加減を考えればわかりそうなものだけど、
なんだかやけに今日はお腹が空いていない。
元来燃費の良い方ではあるが、以前よりも一定のリズムで生活しているし、
体内時計も結構あっていたはずなのだけど。
貴女「すぐ行きますね。」
今朝の不可解な謎達はいったん後回し。
さて、今日の食事当番は誰だったか。
どうでもいいことを考えながら障子に手をかけた時、
貴女「ぐっ、ゲホ、ゲホ……」
ああ、またいつものか。
いい加減に慣れてしまった赤かと思っていたが今日のソレは違った。
貴女「?!ぐっ、かはっ、ゲホゲホ……」
いつもの赤い液体とはまた違う、黄色の固体が口から飛び出す。
貴女「……は?」
何が起こっているかわかりはしないしわかりたくもないのだが……
……僕の体は、花が飛び出すビックリ箱になってしまったらしい。
と、ふざけたナレーションを脳内でつけてみているものの、
自分の身に何が起こっているのか、まったく思考が追い付いてない。
何で僕の口から毒草が飛び出す?
えー、今日はこんなの仕込んでないよー?←
もし仕込むにしたって、この時代に夏の花を秋に用意するとか大変だし。
訳の分からなさが一周してちょっと変に落ち着いている。
さてこれからどうしたものか。
労咳の時見たく隠して、いや結局バレちゃったけど、
何ならそれを逆手に取って暫く籠るのもありかもしれない。
でも、そうするとお嬢さんメッチャ様子見に来る気がする、看病と監視を兼ねて。
ただでさえこの間まで鬼の姿だのなんだのと面倒をかけたばかりなのに。
それならどこかに外泊する?
それもそれでギャンギャン言われそう。
そろそろ大仕事も控えてるし、うーん……
貴女「……やばっ、朝ご飯!」」
秘技、問題先延ばしを発動し、取り合えず平静を装うことを決めて部屋を出る。
……まさか鬼は花吐きだすのが普通とか、ないよね?
うん、ないない。
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朧 龍 - ほたてさん» コメントありがとうございます!そして受験、お疲れさまでした!ほんと皆様のコメントがもう有難くてありがたくて…。今後も細々頑張ります♪ (3月2日 1時) (レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
ほたて - 受験が終わり、久々に読みに来ました!やはり朧龍さんの作品は最高です!! (2月18日 12時) (レス) @page15 id: cd4402c2ff (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 時雨さん» ありがとうございます〜!見つけていただけて光栄です!3日は凄いですね‼チマチマ更新したりするので暇があれば是非ぜひ〜 (1月22日 23時) (レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 3日前にこのお話を見つけ、気がつけばハマりここまで読み進めてしまった‥めちゃくちゃ面白かったです! (12月3日 0時) (レス) @page3 id: 3e5827ba66 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 土方優菜さん» コメントありがとうございます!すべて読んでいただけているとは、本当にありがたい限りです。まだ番外編チマチマ書いてますが本編の方も亀の歩みで進めていきたいなと思っております。これからも楽しんでいただけますと幸いです♪ (11月19日 20時) (レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧 龍 | 作成日時:2023年9月18日 22時