15周年記念番外編 徒花の戯れ言 2 ページ2
慶応4年秋――――
目を覚ました時、それはそこにあった。
枕元に散らばる鮮やかな黄色の4弁花。
はて、どこかで見たような気もするが、どうにも思いだけない。
そもそも何故こんなところに花なんぞが転がっているのか。
薬やら毒やらの原料の類いは全て棚にしまってあるはずだが、
何かのタイミングで零れ落ちたのかもしれない。
貴女「とは言っても、うーん、生花なんて仕入れた覚えないんだけどな。」
ひょいっと摘み上げてしげしげと観察する。
白い毛で覆われている葉や、ヨモギにも似た羽根状で柔らかい。
少し爪の先が引っかかりちぎれた葉の断面から、花と同様の黄色の汁がジワリと玉を作る。
貴女「これ、クサノオウか。」
特徴的な黄色に昔見た情報が呼び出される。
クサノオウ。
多種の有毒アルカロイド成分を有するれっきとしたケシ科の毒草である。
漢方で使用されていた過去もあるが、強い毒性がある為
一般の人は手を出すことをまったくおススメしない。
それに確かこの花は夏の草だったような……？
なんでこんなものがこんなところに、と改めて最初の謎に立ち返る。
これを人様の枕元にわざわざ置いたのだとすれば、かなりタチが悪い。
彼らの中に分かってやるような陰険な奴はいないと思うし、
花の鮮やかさについつい摘み取ったのだとすればまだわからなくもない。
いや、そうだったとしても僕の枕元に投げ捨てていくのはナゾ行動過ぎるが。
取り敢えず落ちていた分を集めて机の上に置く。
なんなら後でこれを使って新しく毒でも薬でも作るとしようか。
千鶴「……さーん、Aさーん？」
注：こちらの話は【薄桜鬼】 名無しの少女の本業は暗殺者です！弐 ＝５＝ http://uranai.nosv.org/u.php/novel/NANASI5/
159話ごろから(つまりは彼女が 油小路の変の後、名前をもらった直後辺り)“から”の話になります。
もしもよろしければ参考までに……
(ちゃんと確認したので間違いないはず……です？)
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朧 龍 - ほたてさん» コメントありがとうございます！そして受験、お疲れさまでした！ほんと皆様のコメントがもう有難くてありがたくて…。今後も細々頑張ります♪ (3月2日 1時) (
レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
ほたて - 受験が終わり、久々に読みに来ました！やはり朧龍さんの作品は最高です！！ (2月18日 12時) (レス) @page15 id: cd4402c2ff (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 時雨さん» ありがとうございます〜！見つけていただけて光栄です！3日は凄いですね‼チマチマ更新したりするので暇があれば是非ぜひ〜 (1月22日 23時) (レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 3日前にこのお話を見つけ、気がつけばハマりここまで読み進めてしまった‥めちゃくちゃ面白かったです！ (12月3日 0時) (レス) @page3 id: 3e5827ba66 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 土方優菜さん» コメントありがとうございます！すべて読んでいただけているとは、本当にありがたい限りです。まだ番外編チマチマ書いてますが本編の方も亀の歩みで進めていきたいなと思っております。これからも楽しんでいただけますと幸いです♪ (11月19日 20時) (レス) id: 43c48621e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧 龍 | 作成日時：2023年9月18日 22時
