artem

夢か真か : A.Ryotaro ページ28

(滝音 秋定)










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you side










「また寝てる笑」



口を開けて大きな欠伸をかましていた時のこと。


ぼんやり、夜は汁系が食べたいなあなんて思っていたら、


奥から呆れたように笑いながら、先輩の秋定さんが歩いてきた。



寝てるって言うか、寝ようとしてたんやけどな。



「……すみません」


「いや、いいんやけどな？」



何も言ってないのに、許可してないのに、横に座られる
マジか、と思いながら頭をかいた


秋定さんって、ちょっと強引や



「Aっていっつも寝てるよな」


「まあ、暇なんで」



やることも無いですしね、と視界の隅に見える、横で頬杖を着きながらこっちを見る秋定さんを避けるように斜め下を見た



「先輩とかと喋らへんの？」


「んー私コミュ障やからなあ」


「えー俺はそうは思わんけどなあ」


「いつも寝てるやつが急に話しかけてきたら不気味じゃないですか？笑」



ほわあ、とまたあくびを出す 横で秋定さんが眠そうやなあ、とまた呟く



「不気味じゃないよー、Aに興味持ってるやついっぱいおると思うで」


「へえ、そんな具体的なこと言うってことは誰かアテがあるんですか？」


「まあな」


「あ、名前は言わんねや……イジワルですね」



しばしの沈黙 実際には2分ぐらいだったと思うけど、体感的にはとても長く感じた


気まずさから出たあくびが、何度もその無言をかき消そうとするけど、毎回謎の圧に押し負けてしまう



「じゃあ、ちょっと質問変えるねんけど」


「はい」


「なんでいつも楽屋で寝てるん？家で寝た方が邪魔はいらんくない？」


「……あー」



痛いところをつかれたな、と背中を丸めながら眉を顰める



これ、自分から言ったらかなりドン引きされるし、恥ずかしくないだろうか……。



そっと秋定さんの目を見ると、なんとも言えないような優しい顔をしていて、



あ、なんかこの人やったら何言っても大丈夫そう、



って思った。












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