artem

よく知らないだけ : T.D & T.K ページ26

(ロングコートダディ 堂前 ニッポンの社長 辻)









カワイイとキモイは紙一重

の、続き









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you side









｢カヌレ……｣


堂前｢そお、カヌレ。いる？｣


｢あ、数余ったらで大丈夫です｣


堂前｢そんな遠慮せんでええのに｣


｢いや、ほんまに自分は残ったらで、はい、｣



堂前さんは独特な雰囲気を持つ人だ


ちょっと、怖いと思うときがある


愛猫のハフちゃんと遊んでるインスタの動画はカワイイと思うけど


お笑いモードの堂前さんは、背筋が凍るぐらい怖い


それほど本気だってことはわかるけど


後輩として、フランクに行くには難易度が高い



堂前さんから差し出された箱の中に綺麗に陳列したカヌレはカワイくて、


思わずテンションMAXで、わー！って選んじゃいそうだけど


ちょっと堂前さんが厳かすぎるからできない



堂前｢……ふーん｣



あ、やばい、選択ミスったかな



堂前｢もうちょっと甘えてくれてもいいんねんで？｣



呆れたように堂前さんは言って、私の眉間を抑えた


ぐり、と痛いぐらいに皺を寄せていたのを自覚する


偉大な先輩にしわ寄せしながら話してたなんて



失礼すぎるし、カワイくねー



｢……すみません……｣


堂前｢ん、じゃあ貰って。謝るぐらいなら、貰って｣



な、と半ば強引に突き出されたカヌレを

オロオロしながら貰った



これ、ほんまにあたしが貰って良かったんかな


あーーダメ、こういうこと考えちゃう



｢……ありがとうございます。美味しく頂きます｣


堂前｢うんーカヌレのためにも俺のためにもAのためにも美味しく頂いてー｣



じゃー、と他の人にもカヌレを配りに行った堂前さん


ふう……とため息をついて肩を回した


ポンッとその手に重なるように手が乗る











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