artem

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私は自分でも分かるぐらい苦い顔をして答えた。



「……それが、秋定さんなんですよ」


「へ！俺！？」


「なんか、……なんやったかな……私が秋定さんから逃げてて……なんか野球のバット振り下ろしながら殺．しにくるっていう……」


「怖！！何その夢……病んでるやん……俺へのイメージどうなってるん」


「まあ所詮ただの夢ですから。気にするだけ無駄ですよ、意味なんてないんで」


「えー……夢やったとしても結構好きな後輩殴り殺そうとしてるんなんか複雑やわ」


「変に傷つかないでくださ……え？」


「え？」


「え、今なんて、？」



この人なんて言った今？



「後輩殴り殺そうとしてるんなんか複雑やわ……」


「いや、あ、はあ……なるほどな……」


「え？何？笑」



こいつ無自覚？いやまあ、そんな顔してるけど。


変に意識するやんか、やめてくれよ。


無駄にドキドキしながらまたあくびを出した



「もう限界？笑」


「眠いですね。この時間帯は結構寝てるんで」


「あ、俺邪魔って遠回しに言ってる？」


「よう気づきましたね」


「酷いなあ」



ごめんごめん、寝てもいいよ、と秋定さんは笑いながら椅子から立ち上がった


ようやく思わせぶりの厄介人がおらんくなる……と安心しながら、寝る体勢を摂るために腕を組んだ



「おやすみ」


「あ、はい、おやすみなさい」



手を振る秋定さんに会釈をしながら、その場から去るのを見届け頭を落とす


ウトウトしながら目を閉じると、さっきまでの秋定さんの顔が浮かび上がる


ほんまになんやったんやろ。ただのちょっかいやったんかな。



｢今日も夢出てきそうやな……」











「おれ、Aの印象に残れたかな。」










ふわ、と頭に感じる手の感触


嫌に大きい手なので、相方がふざけて撫でてきた訳では無い




何より声が──────。




「今度こそ、俺とAのいい夢、見てな」



おやすみ、と秋定さんが私の頭を撫でながら頭上で呟く






ああ



まさかアンタ、



最初からそれが目的やったんかい

















「ほんでAちゃんとは喋れたん？あっきー」


「まあ……落とせたと思う」


「あっきーてさ、こう見えて結構肉食よな？怖いなー」












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