memento mori

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まさか阪本さんにこんな下心が……と、変につき返せずに、阪本さんに抱きしめられるままでいる



「……ごめん、キモイよな、」


「その、それが……」



意外と、嫌じゃないんですこれが、とヘラヘラわらった


ほとんど交流ないし、得体の知れない人だから、普通は嫌なのが当たり前なんだけど。



「なんか、嫌じゃないんです」



なんでなんやろ 不思議


安心するって言うか……このまま、大人の方向へ進んでしまったとしても、なんだか嫌じゃない。



「だから───｣


「ちょちょっと待って！！！」



慌てて起き上がって、そのまま私の肩を鷲づかんで起き上がらせた


え？え？とまた突然のことに困惑



「ま、まさかそんないい反応貰えると思ってなかったから……！あの、また、ちゃんと言わせて！！」



ここまで来てごめん！！！とその場で土下座する阪本さん
は、はへ、と完全に拍子抜け



「え、じゃあ負け戦で来たってことですか！？」


「そう……終わったあとに聞かれたら記憶ないわって、知らん振りするつもりやった……」


「それ普通に詐欺ですよ……なんですかそれ……」



じゃあ、と肩を押して土下座状態から起き上がらせる
半泣きの阪本さんと目が合った



「また、ちゃんとした時に言ってください」



あ、でもまず阪本さんのこと知らないと……私正直年齢とか誕生日も危ういんです、と悩んで顔を上げると、


むにゅ、と唇に暖かい感触が触れた



「わ、わ、あ、わあっっ！！？！」


「ごめん、あまりにも可愛くて、つい、」



きょ、今日はこれで我慢する、と下唇を突き出しながら正座して言った阪本さん


これ私だったから良かったけどさ


普通の後輩ならキモがられて終わりですよ



「……仕方ないなあ」

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