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じゃあこっちへ、と手招きすると素直に近づいてくる兎さん。


「せっかくなんで激変させてあげますよ」


「エエ!?めっちゃ不安やねんけど……」









じゃあまずは下地、と順番通りに進めていく。


ぴと、と兎さんの顔に触れると、思いっきりビクッと肩を揺らして面白い。


お次はファンデーション……とファンデーションを手に、兎さんの顔を持ち上げる。

構図的には、私が兎さんを見下ろして、逆に兎さんは私を見上げているカタチになる。


そっと手を添えると、え、ちょっと待って待って待って??と兎さんが私の手を振り払った。



「なんですか。痛いですね」


「え、なにこれ?」


「メイクですけど」


「これメイク?」


「メイクですよ」



そうだろ。メイクだよ。



逆に他に何があるんですか、とジト目で言うと、めっちゃ恥ずかしいやん……と顔を赤くしながら、口元を隠して言った。

そっぽを向く姿は、まるで甘酸っぱい青春に包まれた男子高校生のよう。


しかし騙されてはいけない。

芸人を生業(なりわい)としているほとんどの人間が、精神は高校生で止まっている。

そんなもんだ。私が兎さんに特別な感情を抱いている訳でもない。



つまりこれは私の幻覚ということ。



疲れすぎてるな、私。



「メイクするんですか?しないんですか?どっちなんですか?(※なかやまきんに君)」


「するけどさあ(※気づいてない)」


「するんかい」



じっとしてくださいよ、いい子やから……とまた頬に手を添える。ソワソワした兎さんが私をぎこちなく見上げる。



何やその顔。ホンマにうさぎみたいやないか。



唇はむにゅ、と擬音がつきそうな程に肉厚で、女として素直に羨ましい。

多分、リップのノリもいいんだろうな。やったことないからわかんないけど。



「……もしかして、緊張してます??笑」


「そんなことないよ」


「体ガッチガチですけど」


「そら緊張するから」


「緊張してるやんけ なに?どゆこと??」



相変わらずわからん人やな兎さんは……。



ため息が出るのを抑えて、じっと特徴を見つけるためにその顔を見つめる。


兎さんってつり目よな……ほんでイエベで……え、片方だけ二重?なにそれ、おもろ。疲れてる??

はいはい、そうね……もうちょっとアイラインシュってしてあげたらいい感じかも……。



あれこれ考えているうちに、兎さんに向けられている視線には気づかなかった。

▶︎→←俺それ好きやわ〜 : Usagi



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設定タグ:よしもと漫才劇場 , 短編小説 , お笑い芸人   
作品ジャンル:ラブコメ
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(プロフ) - 244yukaさん» わざわざありがとうございます〜!(˶◜ᵕ◝˶)もちろんです!!!!書かせてください!!!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まっしゅさん» はじめまして〜!コメントありがとうございます₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎♡阪本さん少ないですよね…もう供給無さすぎてカラッカラですよね……いつでも涸れたら遊びに来てくださいね……マユリカさんメインになると思うので……! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
244yuka(プロフ) - あ!えと本日のお酒のステージで踊って、です!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: 14faa5d2a0 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅ(プロフ) - 初めまして!阪本さんのお話を書いている方をなかなか見つけられなかったので、とても嬉しいです(;_;)また書いてくださると嬉しいです、!! (2022年8月29日 23時) (レス) id: 4cd9671825 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たまごさん» そう!!そう、中谷さんマジでないんですよ……少ないんじゃなくて、ないんですよね……大丈夫、私がその場所を作ります……(???)いつでも戻ってきてください₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎シチュエーションリクエストも待ってます🫶 (2022年8月29日 22時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月27日 1時

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