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「ほんで今日はどうしたっちゃね」
「どこの方言なんすかそれ」
「ごめん、適当に言った笑」
んーま、労働終わりのアルコールはシンプルキマる、と口の端に泡をつけながら笑う。
ほんま美味しそうに飲むなあ、と俺もコーラを喉に流し込む。
Aさんの前では変にカッコつけなくていいから楽だ。
普通、俺は女と飲みに行ったらイキッて酒とか頼んでまうけど、
彼女は俺のこと知り尽くしてくれてるから、いい大人になってこんな場所でコーラを頼もうが、何も言ってこない。
非常に心地よい。
「また友達が」
「あー例のね?先輩好きなお友達」
若いわ〜と上機嫌でおつまみを口に運ぶ。その些細な行動でも上品さが窺えた。
俺は"友達に恋の相談を受けた健気な友人"を装って、Aさんの好みのタイプ聞こうと、
毎回"いもしない友達に送るためのアドバイスだけを貰う飲み会"を定期的に開催している。
もちろん食べたものとかは全てAさんの奢りなんだけども、
そんなのにも全く嫌な素振りを見せずに気軽に飲みに連れてってくれる。
「Aさんも充分若いですよ。」
「うるせーおばさんやわ」
「4歳しか変わらないやないですか」
「いやマジで4年舐めたら痛い目合うと思う」
「いやAさんは、」
「もーええて!分かったから!笑
友達の話聞かせて」
恥ずかしがってるのか。少し眉を下げながら髪をいじる。ここで突っ込まれへんのが俺の悪い所。
嫌われたくなくて、防御に回ってしまう。
「……職場でめっちゃ人気者らしいんすよ、その先輩。周りに常に人がおるらしくて。なかなかアタックできひんらしいです」
「なるほどなぁ。そら確かに人かき分けて先輩〜!とは、まあ、言われへんな」
むじぃな、と他人のことも真剣に考えてくれるユズハさん。綺麗な色合いの唇を触りながら、考え込んでいる。
ゴクリと喉を鳴らした。
あざとい……というか、セクシーだった。
あんなに可愛く笑う先輩が、居酒屋のやっすいオレンジの照明でこんなに変わるものか。
「……どう、思います?」
「ん?」
「トロトロしてると誰かに取られるぞって、同期に言われたらしくて」
「ほお」
「焦ってるって」
「んー」
これは私の価値観に基づいて言うことやけど、と前置きをして真剣な目でこちらを見る。
ドキッと胸が高鳴った。
毎度毎度、こんな新鮮に汗が吹き出るような緊張受けんのはAさんだけやわ、ほんま。
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流(プロフ) - 244yukaさん» わざわざありがとうございます〜!(˶◜ᵕ◝˶)もちろんです!!!!書かせてください!!!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - まっしゅさん» はじめまして〜!コメントありがとうございます₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎♡阪本さん少ないですよね…もう供給無さすぎてカラッカラですよね……いつでも涸れたら遊びに来てくださいね……マユリカさんメインになると思うので……! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
244yuka(プロフ) - あ!えと本日のお酒のステージで踊って、です!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: 14faa5d2a0 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅ(プロフ) - 初めまして!阪本さんのお話を書いている方をなかなか見つけられなかったので、とても嬉しいです(;_;)また書いてくださると嬉しいです、!! (2022年8月29日 23時) (レス) id: 4cd9671825 (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - たまごさん» そう!!そう、中谷さんマジでないんですよ……少ないんじゃなくて、ないんですよね……大丈夫、私がその場所を作ります……(???)いつでも戻ってきてください₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎シチュエーションリクエストも待ってます🫶 (2022年8月29日 22時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流 | 作成日時:2022年8月27日 1時