▶︎ ページ27
.
「お前さあ、その関係いつまで続けるつもりなん?」
「……は?」
ようやるね、と目の前のピンピン髪の同期はほっそい目で若干睨みながら頬杖を着いて言う。
「な、何が?」
「何がって……楽屋でずっっとチラチラ見てるだけで、やっと動いたと思ったら何もせんと飲んで帰ってくる意味の無い関係やんか。
お前1番そういうの嫌いなくせにようやるわ」
「は?」
「動揺しすぎやろ。さっきから「は?」と「何が?」しか言ってないけど」
Aさんのことやん、と下田は真面目な顔付きで俺の不思議な視線から顔を逸らした。その視線の先には、33期と楽しそうに戯れるAさんがいる。
中谷さんの変顔を見てゲラゲラ笑って、横の阪本さんに「うるさい」って頭シバかれてキャッキャッしてる姿は、よもや先輩とは思えない無邪気さだ。
あーかわいい。ほんっまに、癒されるんよな……とニヤつく顔を押さえた。
下田は俺がAさんのことを好きだと知っている数少ない同期のうちの一人だ。たまにこうやって茶化しという名のお節介をかけてくる。正直だるい。
「……笑」
「何が言いたいねん、さっきから」
「あんまトロトロしとると取られるどってこと」
Aさん人気者やねんから、と財布を開けながら下田は呟く。
余計なお世話や、黙っとれ。
Aさんが人気者なんてことはマンゲキの誰もが知ってる。
その際限のない優しさ、おおらかな性格。嫌いになる要素などない。
「少なくとも、早めに行動しといて損は無いで」
「だ、か、ら!そんなん言われんでもわかってるわ」
「そうですかぃ」
Aさーん金貸して〜!!と笑顔で真っ先にいらちな俺を茶化すために、一目散に駆けて行った下田に殺意が湧く。
俺ができないことをあいつはやって退ける。そう、媚びを売ること。あざとくなる事だ。
「だーれが貸すか!帰ってこやんやんけ、下田にお金貸したら!」
「返すつもりないすもん〜」
「じゃあもう貸すって言わずに頂戴って言え!笑
あざとく言えたら1000円あげる」
「ほんまですか!?言いましたよ!!言いましたからね!!」
「まあまず無理やろ」
両手にマユリカ。なんか、金持ち嬢がホスト従えてるみたいやな、と笑ってしまった。
マユリカさんがホストなんて、まずありえへんけど。
ああやって笑ってる顔見るのが俺の日課。
それが誰に向けられていようと関係ない。自分に向けられてたらそらええけど。
172人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流(プロフ) - 244yukaさん» わざわざありがとうございます〜!(˶◜ᵕ◝˶)もちろんです!!!!書かせてください!!!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - まっしゅさん» はじめまして〜!コメントありがとうございます₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎♡阪本さん少ないですよね…もう供給無さすぎてカラッカラですよね……いつでも涸れたら遊びに来てくださいね……マユリカさんメインになると思うので……! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
244yuka(プロフ) - あ!えと本日のお酒のステージで踊って、です!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: 14faa5d2a0 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅ(プロフ) - 初めまして!阪本さんのお話を書いている方をなかなか見つけられなかったので、とても嬉しいです(;_;)また書いてくださると嬉しいです、!! (2022年8月29日 23時) (レス) id: 4cd9671825 (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - たまごさん» そう!!そう、中谷さんマジでないんですよ……少ないんじゃなくて、ないんですよね……大丈夫、私がその場所を作ります……(???)いつでも戻ってきてください₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎シチュエーションリクエストも待ってます🫶 (2022年8月29日 22時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:流 | 作成日時:2022年8月27日 1時