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「…………ね、ほんまに……」


「……で、………………やから」




ふと、人の声で我に返った。今までの出来事を思い出していたら、足先まで完全に冷えきっている。


近くでラジオをやっているのか、スピーカーを通して人の声が聞こえてくる。



へえ、このラジオも芸人さん?本当に芸人の街やな、なんばは。


暇やし聞いてみるか、と目を閉じる。引くほど寒いけど、カイロとマフラーがあれば生きていけるな。



意外とこの感じ、悪くないかも知らん。





「寒」




カイロ頂戴、と手からカイロの暖かみが消えた。ハ?と目を開けると、前にブルブル震える堂前さんがいる。


え、堂前さん!?



嘘、なんで?!と急に心臓がドキドキしはじめる。


さっきまで体の芯まで寒さに凍りついていたのに、一気に発火したように熱くなり始めた。


「ちょちょちょちょ!ちょっと!」


「やっほー。こんなところで会うなんて珍しいな。また店長にこき使われてんの?」


「いや、あの、なんでここに……!?」



「あ、今日もまた行こうと思ってるんやけどAちゃんシフト入ってる?」


「話聞いてくださいよ」




カイロ暖かいわあ、と頬を赤く染めながら手を擦り合わせる。そのうっすい布だけで外出てくるからでしょ、とため息が出そうになった。



セーター"っぽい"服を着ているものの、もう寒そうったらありゃしない。薄い、薄いよ布が



「で、なんやっけ?「堂前さん!?なんでここに?」やっけ?」


「そんな劇的な言い方してましたっけ……

いやまあ、堂前さんがどこにいようがいいんですが……」


「何その言い方あ。傷つくわあ」



俺あっこの5upよしもとって劇場に所属してるからさ、ここら辺はよう歩くねん、と腕を手で摩りながら足踏みをして言った。


あ、芸人さんやからか、そゆこと。


こんなところで会うなんて運命?とか考えた私がバカだったな。思考ガキすぎ。店長の言葉に踊らされてたわ。


濡れますよ、と裾を引っ張って、堂前さんも屋根に入れる。あ、風避けになってくれんの?と相手は呑気に笑う。


「まあ、コントに使う道具をドンキでちょっと買ってて……外出たら見たことある制服が見えたから……」


Aちゃんやって思って、思わず出てきてもうた、と寒さのせいで赤くなった顔で目を細めた。


なんやそれ、と呆れる気持ちがありながら、

堂前さんが私のためにこのクソ寒い外に出てきてくれたと考えると、ちょっとむず痒い。

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設定タグ:よしもと漫才劇場 , 短編小説 , お笑い芸人   
作品ジャンル:ラブコメ
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(プロフ) - 244yukaさん» わざわざありがとうございます〜!(˶◜ᵕ◝˶)もちろんです!!!!書かせてください!!!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まっしゅさん» はじめまして〜!コメントありがとうございます₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎♡阪本さん少ないですよね…もう供給無さすぎてカラッカラですよね……いつでも涸れたら遊びに来てくださいね……マユリカさんメインになると思うので……! (2022年8月30日 0時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
244yuka(プロフ) - あ!えと本日のお酒のステージで踊って、です!! (2022年8月30日 0時) (レス) id: 14faa5d2a0 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅ(プロフ) - 初めまして!阪本さんのお話を書いている方をなかなか見つけられなかったので、とても嬉しいです(;_;)また書いてくださると嬉しいです、!! (2022年8月29日 23時) (レス) id: 4cd9671825 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たまごさん» そう!!そう、中谷さんマジでないんですよ……少ないんじゃなくて、ないんですよね……大丈夫、私がその場所を作ります……(???)いつでも戻ってきてください₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎シチュエーションリクエストも待ってます🫶 (2022年8月29日 22時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月27日 1時

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