【爆豪勝己】俺の娘は世界一

中学校の日 ページ40

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「おい早くしろ」
『待ってまだ』
「何分鏡見てたって顔は変わんねぇよ」
『顔の話じゃないの！！スカート！長くない！？』
「初日なんだから当たりめぇだろ。大体どこの新入生もそんな格好だわ」
『………切りたい』
「早えし切らねぇよ」



まぁでもみんなこの格好なら同じか。
何着たってどーせ可愛いし。私。


今日から晴れて中学生。
私は中学生とは思えないほど美人になった。本当に。

前々からパパの顔には似てないなって思ってたから、これはきっとママ譲り。
顔は覚えてないけど、きっと美人だったんだ。

白いセーラー服に紺色のプリーツスカート。
リボンも紺色で、白い襟にはこれまた紺色で三本線が通っている。


可愛い。
悔しいことに制服はめちゃくちゃかわいい。
この辺の公立中学校は全部紺色統一のブレザーでリボンなんか着いてないから、それよりは何倍も可愛いけど、、
可愛いけども！！！

でも私が行きたかったのは公立だ。



『………入学式くらい一人で行ける』
「何回言ったらわかんだよ。普通親が行くもんだっつってんだろ。ほら、」
『要らない。もう中学生だもん』
「あっ、おい待て！」



差し出された手を跳ね除けてピッカピカのローファーを履き、パパから逃げるように階段を駆け下りた



『あ………』
「お、よぉA」
『そーた……』
「お前のとこの制服アレだな。派手だな」
『……可愛いって言ってよ。爽太のは地味だね』
「うるせーな。公立ならどこもこんなもんだろ」
『……………………』
「んな泣きそうな顔すんなって。同じマンションなんだから」
『泣いてないし。』
「ったく。相変わらず……あ、どーも」



爽太は呆れ顔で私の頭を小突くと、私の後ろを見て小さく頭を下げた



「……………」



振り返れば、眉間に少し皺を寄せたパパが立っている



「じゃあ俺行くな！」
『あ、、爽太』
「ん？」
『あ、の、、』
「………。あれだな、あれ。また矢田とか瀬川とか、みんなで遠出とかしようぜ！俺らもう中学生だし！」
『！！』



パッと目を見開かせて爽太を見る。
彼はニカ、と歯を見せて笑った。



『うん、行く！楽しみにしてるね！』
「おう！じゃーそっちも頑張れよ！」
『爽太もね！』

遠出……っ！



少し大人びた響きに、私はいとも容易く昂った。
これから行く、知らない人だらけの場所もその約束ひとつで乗り越えられてしまう気がした。



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