【爆豪勝己】俺の娘は世界一

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『……あんたなんか』
「A……？」



斜め下を何かに取り憑かれたようにじっと見つめながら、うわ言のようにつぶやく。




『あんたなんか産まなきゃよかった』




それ以上聞かなくても、彼奴がAに投げた言葉のひとつだと容易に想像がついた。

Aはそのまま動かなくなってしまった。

席を立ってAを抱えあげる。



「思ってねぇよ。嘘だそれは」
『だって、、っ、ママ言ってた…！！』
「思ってねぇ事言っちまうんだよ。人間ってのは」



Aは条件反射のようにぎゅっと首に腕を回し、肩に顔を埋めた。



『そうなの…？』
「Aだって俺の事好きでも『パパ嫌い』って言うだろ。それと同じだ」
『…………』



Aはなんとも言えない表情でこちらを見てから、もう一度肩に顔を埋めた。


『なんか違う』


「それにそんな事は些細な問題に過ぎねぇ」
『？？』


「Aにはクソ強え父親がついてっからな。どんなワガママ言ったって応えてやるから安心しろ」


『………何でも？』
「だからって調子乗んなよ。危ねぇのはナシだ」
『じゃあ私チョコケーキ食べたい』
「しょっぼいワガママだな」
『食べたい！！』



こんな一時的に話を逸らしただけでいいのか。
いや、こんなものは何の解決にもならない。

Aはこれからどうにかこうにか頭の中で整理しようともがくのだろう。



「んじゃ買いに行くぞ」
『ほんとに！？いいの！？』
「ケーキ屋閉まってっからスーパーのな」
『やったぁ！』



だから、コイツが悩んだとき、何の躊躇いもなく相談できるような、そんな父親で居たい。



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