・ ページ23
・
「しょ、、所長…………」
「ああ。遅かったな」
パパは資料から顔を一切上げず、作業を続けながら淡々と返した。
「あの、ほんと、、すいません、怒ってますよね、、」
「怒ってねぇよ。てめーの責任感の無さに呆れ返ってるだけだ」
なんというか、、冷たい。
何このパパ!!冷たい!!
見たことの無い怒り方に思わず身震いしていると、ソラはこれまた見たことない顔で落ち込んでいた。
さっきまでのお調子者感が見事に抜けきっている。
そりゃあ寝過ごすとかいうバカをやったのはソラだから、擁護のしようが無いけど。
でも、
でも、
ソラは今日会った大人達の中で唯一、私を子供扱いしないでくれた人だもん。
だから、ちょっとだけソラの贔屓をしたい。
「今日はもう帰っていいぞ」
一度もこっちを見ないまま、パパはそう言い放った。
ソラが私の横で拳を強く握り締める。
俯いた顔は、今にも泣き出しそうだった。
『ねぇ、なんで訳を聞かないの?』
急に言葉を発した私に、ソラの目から涙が引いた。
そして、パパがやっと顔を上げる。
「お前なんてこと言うんだよ……!!」
物凄い小さい声でソラが言う。
「は、、なんでAがここに」
ギロ、と睨まれたのはソラだった。
「お、俺は無関係っす!!」
『駅までは一人で来たよ。』
「あ?駅まで……一人で!?てめ単独行動は」
『ちゃんと気をつけながら来たもん』
「そういう問題じゃねぇだろ!!また攫われ……いや、何でもねぇ」
パパはあの誘拐事件のことをあまり喋りたがらない。
私に思い出させたくないのだろう。
別に私は大丈夫なのに。
「とにかくンな危ねぇこと」
『それよりパパ!!』
「あ、、、ああ??」
『なんでソラの話聞いてあげないの!!』
「…………それはてめーには関係ねぇことだ。それよりなんの用で」
『関係なくなんかない!ソラは、、』
な、、なんて言えばいいの…………
ソラは……
『ソラは……』
「俺は…………?」
と、とりあえず私にとって関係ある人ってことにしたい訳だから、、
あと、ソラの今回の罪を全部チャラにするには……
うん。この作戦で行こう。
・
1246人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほしいか(プロフ) - @!さん» 長い間読んでいただけてるんですね、ありがとうございます!(T▽T)ゆっくり更新にはなりますがこれからもよろしくお願い致しますm(__)m (2021年5月4日 22時) (レス) id: a6bcddeca8 (このIDを非表示/違反報告)
@! - 最高です!!!結構初期から観させてもらっているのですが反抗期、勝己パパと娘の関係がどうなっていくのか楽しみです!体調などには気をつけて更新頑張ってください!応援してます!!! (2021年4月17日 17時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 啞連「♀」さん» ありがとうございます〜っ!はい!頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!(o^^o) (2021年2月5日 15時) (レス) id: a6bcddeca8 (このIDを非表示/違反報告)
啞連「♀」 - 勝己パパ最高です!更新頑張ってください! (2021年2月3日 17時) (レス) id: 4baf8bf284 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 碧鞠さん» コメントありがとうございます(o^^o)こちらこそ素敵なコメント頂けて感無量です(T▽T)少しずつの更新になってしまいますが、これからもよろしくお願いします! (2021年1月1日 18時) (レス) id: 7722cd4db4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほしいか | 作成日時:2020年10月20日 19時