・ ページ44
・
『いんげにうむ、くりえてぃ、いやほんじゃっく、き、きゃ、きゃんとすとっぷとぅいんくる』
「ノーノー！Can't stop twinkling！！」
「長いんだよ青山のヒーロー名。もうキャントストップトゥインクルでいいよ」
「凄いですわ、もう覚えたんですの？」
『えへへぃえへへぃ』
色んな席を回って、色んな人の名前を覚えた。
時間としてはそんなに経っていないのかもしれないけれど、とても疲れた。
少し離れたところに居たきりしまの元まで歩いて服を引っ張る。
『きりしま……パパは……？』
「ショートじゃなくていいのか？」
『ショート……うん、パパ』
「パパは多分……あ、あそこ。黄色い髪の奴のとこ」
『うるさい人』
「そーそーうるさい人」
きりしまに言われた通り机の奥の方に行くと、やっぱり黄色い髪の人はうるさかった。
『パパ』
目を擦りながら腕を引くと、パパは私を持ち上げて膝の上に乗っけた。
「寝てろ」
『ん』
正面からパパに抱きつけば、何より安心する匂いがした。
お下げを揺らして顔だけ振り返ると、丸い目をしたうるさい人と黒髪の人と目が合う。
「爆豪……お前父親なんだな……」
「なんか俺感動した……」
「どういう意味だゴラ」
「待ってなんか泣きそう」
「ほら、ハンカチ貸してやる」
「うわぁぁあ！！ウチの爆豪がぁあ！！」
やっぱり黄色の人は大声を出して、私はビクッと肩を震わせた。
けれどすぐに頭にパパの手が乗って、顔をパパの胸に埋めた。
そのまま寝ようとして、さっき言いかけたことを思い出す。
『パパ』
胸の中から顔を上げてパパを見上げる。
パパは目の玉を下に動かして私を見た。
「なんだ」
『あのね、私ショートと結婚するから』
「………………」
『おやすみ』
うん、もう言い残したことはないな。
いつ結婚式にしようかと考えながら私は眠りについた。
・
「待って爆豪顔怖い」
「おい、父親の顔に戻れって、、おい」
「…………轟は何処に居やがる」
「待て待て待て冗談だから、な？ただの冗談」
「俺には許せる冗談と許せねぇ冗談があんだよ」
「でもほら今色々やったらAちゃん起こしちゃうし……」
「だから静かにぶっ殺すんだろうが」
「静かにぶっ殺すって何！？」
家に帰るとしばらくの間、
パパはテレビすら見せてくれなくなった。
・
次のお話から続編に行きます。
しばしお待ちを。
リクエストありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 852人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほしいか(プロフ) - さうさん» ほんとですかっ！私の行ったことある所と同じかもしれません……笑コメントありがとうございます！ (2021年1月1日 16時) (
レス) id: 7722cd4db4 (このIDを非表示/違反報告)
さう(プロフ) - めっちゃ癒されました！登場した水族館知ってる気がする… (2020年12月13日 13時) (レス) id: 1a87c21f54 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - ママの言うこと聞きなさい！さん» わぁぁ嬉しいです！ありがとうございます！(o^^o)続編の方もよろしくお願いいたしますm(__)m (2020年10月20日 20時) (レス) id: 7722cd4db4 (このIDを非表示/違反報告)
ママの言うこと聞きなさい！ - すごすぎて発狂してしまいました。応援しています (2020年10月18日 14時) (レス) id: e7989bc3c2 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 黒白の猫さん» 面白かったです！？どこでしょう……。コメントありがとうございます！ (2020年10月16日 20時) (レス) id: 7722cd4db4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほしいか
| 作成日時：2020年7月28日 19時
