「君は悪くない」

24.兄さん（ジャン・ハオ） ページ25

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「01も別に若くないってわけじゃないですよ」

「いや、流石に01と07は……」


 6歳差ですよ、6歳差。ナナさんが俺に苦笑いをする。



「あっ、ジャンハオさんこそ俺に敬語やめてください。年上なんですよね？」

「一応00ですけど……でもナナさんには敬語使わなきゃ」


 そもそも、2年前はN͜͡umberとして活動していたナナさんが自分より年下なのが変な感じがする。
 それもそのはずで。2018年、つまりナナさんは17歳でデビューしたのだ。さっきオリーやユジンの生まれ年にナナさんは驚いていたが、ナナさんこそ二人と同じくらいの年齢で異国の地でデビューして売れたのだから、こっちがびっくりする。



「いやいや！ ここに居る時点で俺は皆さんと同じ立場ですよ。年上の人にまで敬語なんか使われたら腫れ物扱いみたいで居にくいです」

「そう言うなら……ナナって呼んでもいい？」

「はい、お願いします」


 ナナさん……じゃなく、ナナが嬉しそうに微笑んだ。



「代わりに俺のことも気軽に呼んでほしいな」

「え？ え〜っと……………………ジャンハオ兄さん(ヒョン)？」


 何故か目が泳いだナナ。どうしたかと思っていると、「兄さん呼びするの、シアン兄さんとミンジュン兄さん以外無かったから変な感じがして」と恥ずかしそうに眉を下げた。



「えーっ、じゃあ俺達もナナさんのこと兄さんって呼んでいいですよね？」

 リッキーの提案にナナが不思議そうな顔をする。

 
「え？ 兄さん？ …………兄さんなんて呼ばれたこと無かったから慣れないなあ」

「N͜͡umberではマンネでしたもんね」

「そうなんだよ、オリー。昔は周りに年下居なくて。今じゃ年下の方が多そうでびっくり」


 最初は恐れ多いですなんて言ってガチガチに緊張していたオリー。それなのに、いつの間にか普通に笑い合っている。



(穏やかな性格だったっていうのは知っていたけれど……)

 話してみると、纏う何処かミステリアスで物憂げな雰囲気とは違って、むしろ人当たりが良くて親しみやすい。
 





「というか、なんで一位席行かなかったんです？」

「えっと……フイ先輩には昔すごくお世話になってたから……」


 リッキーの問い掛けに渋い顔をするナナ。二人に交流があるのは知らなかった。


「あー、納得しました」

「うん、出来ればずっと対面したくないっていうか……」

「なんですかそれ」


 首を傾げるリッキーに、ナナは苦笑いだけした。





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